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【皮膚専門医が監修】自宅で愛犬のシャンプーをしなくて大丈夫?  頻度、上手にできるコツまで詳しく解説

愛犬のシャンプーはどうしていますか?サロンに任せていたり、タオルやシートで汚れをとるだけ・・・という飼い主さんもいると思います。しかし、お家で日々のケアを正しく行うことで皮膚トラブルを防ぐことができるかもしれません。ここではお家シャンプーの必要性や頻度、方法から選び方のポイントまで、飼い主さんからの質問を獣医師で皮膚科専門医の伊從慶太先生による解説でご紹介します。

自宅で愛犬のシャンプーをしている飼い主さんは48%!

「いぬのきもちアプリ」の調査によると、自宅で愛犬のシャンプーをしている飼い主さんは48%にとどまっています。自宅でしない理由は「プロのほうが上手だからサロンで」「時間や手間がかかるから」「乾かすのが手間だから」「愛犬が嫌がるから」「洗い方が分からないから」などが上位に。

「動物病院への来院理由の1位は「皮膚トラブル」。症状が出てからの治療はもちろん、なる前に予防すること、良い状態を維持することが大切です。そのためには、生活環境や食事などさまざまなアプローチと同時に、シャンプーやスキンケアがとても重要になります」(伊從先生)

※「いぬのきもちアプリ」調査。2023年4月実施。回答数400
ここからは飼い主さんからいただいた愛犬のシャンプーについての質問をご紹介します。

Q.愛犬のシャンプーはなぜ重要なの?


「時々、愛犬をシートやタオルで拭いたりしています。汚れた時は水で流すこともありますが、やはりシャンプーを使わないとダメなのでしょうか」

A.皮膚から出てくる汚れまで落として清潔な衛生状態を保つために、シャンプーは必要です

「表面の汚れやニオイだけでなく、皮膚から出るフケ、古くなった毛、汗、皮脂汚れなどを落として清潔にすることが、トラブルを防ぐためにも重要。シャンプーによって皮膚と毛の衛生状態を保つことで、皮膚の恒常性の維持につながります。
指の間や顔のシワなどの強い皮脂汚れは、シートやタオルだけで撮ることは難しい場合もあります。無理に汚れをとろうとするとこすってしまい肌を痛める危険性も。そのためにはまずはシャンプーをしてみて、汚れが落ちること、良さを実感してみるのがいいと思います」(伊從先生)

Q.では、シャンプーはどのくらいの頻度ですればいいの?

「1カ月から2カ月に1回ほどのトリミングを兼ねて、サロンでシャンプーをしてもらっています。そんなに汚れも目立っていないので、そのくらいでOKでしょうか」

A.頻度は個体差によりますが、月1回では少ないこともあります

「前述したとおり、目に見える汚れやニオイは無くても、皮膚や毛のターンオーバー、新陳代謝を促すために、シャンプーで皮膚の衛生状態を保つことが重要です。また、汚れをためすぎると、ゴシゴシ洗ったり、強い洗浄剤が必要になる場合もあり、肌を傷つける一因となります。
愛犬によっては月1回では少ないこともありますし、逆に洗いすぎで肌のバリアを壊してしまうこともあります。あくまでそのコにあった、皮膚をきれいに保てる頻度を試してみてください。また、頻度は季節によって変えてもいいでしょう。人間と同じように、夏場はシャンプー頻度を上げる、冬場は少な目にするなど、愛犬の皮膚の状態に合わせて行うことをおすすめします。
さらに、皮膚トラブルが起きた場合、日ごろからシャンプーに慣れさせておいたほうが治療の手助けになる場合がありますので、子犬のうちから習慣化させるのもいいでしょう。一方、シニア犬は一般的には若いころより毛量が少なくなり、皮脂量も低下します。体の負担がかからなように、より短時間で実施することを意識してください」(伊從先生)

Q.でも、上手にシャンプーをする自信がないのですが・・・

「定期的なシャンプーで汚れをしっかり落とすことが必要なことは分かりましたが、きちんと洗えるか心配です。上手なコツはありますでしょうか」
「まず、いきなりシャンプーをしないことが大切です。せっかくのシャンプーも、事前のブラッシングやきちんとした洗い方をしないデメリットもありますので、以下の要領で行ってください。
1.ブラッシング
2.十分に毛を濡らす
3.泡で洗う
4.毛の流れにそってマッサージする
5.すすぎとドライをしっかり行う
6.保湿も忘れずに
ポイントは、とにかく泡で洗うこと。決して皮膚をこすらないでください
泡を作る際は、手のひらにのせて裏返しても落ちないくらいが基準です」(伊従先生)

きちんと洗えていると、乾かす時間も少なくて済みます

「そして、大変と思われがちなのがドライです。まず、小型犬ならバスタオルを4~5枚用意。体全体をふいたあとに2枚目のタオルで愛犬の体を巻いてください。そして、3枚目以降のタオルでしっかりふき取るといいでしょう。
そのあと、低温のドライヤーで乾かしますが、ここまでタオルで水分をふき取っておけばほぼ終了といっても過言ではありません。そして、実はしっかりと洗えて汚れが落ちているほうがはやく乾くのです。そのためにも先ほどの要領できちんと洗うことが大切になります。仕上げに保湿することも忘れずにお願いします」(伊従先生)

Q.上手なシャンプーの選び方を教えてください

「皮膚ケアのためのシャンプーの選び方を教えてください。オーガニックや無添加の商品もあるみたいなのですが、やっぱりいいのでしょうか」

A.「泡」がしっかり立つものがいいでしょう。あくまで体質を見極めて選んでください

「植物由来や弱酸性、アルコール無添加、泡で出てくるタイプなどいろいろな製品がありますので、確認してみるといいでしょう。合う合わないは体質もあるので、愛犬に合ったペット用のものを選ぶことが大切。どんなものを選んでいいか迷ったら、複数の製品を使って部分洗いだけしてみるというのも手です。
そして、ここでもやはり重要になるのが「泡」。どんなシャンプーであっても、十分に泡立てて、こすらずやさしく洗うことで皮膚を傷めないことを忘れないでください。また、長期間、シャンプーを保管していることで中身が汚染されてしまうこともありますので、適切なタイミングで使い切る、買い替えることも必要です」(伊従先生)
自宅シャンプーは、皮膚トラブルをいち早く発見できるというメリットもありますし、飼い主さんと愛犬のコミュニケーションにもなるでしょう。ぜひ試してみてください。
監修:獣医師・獣医学博士(皮膚病学)アジア獣医皮膚科専門医 伊從慶太先生
取材・文/いぬのきもちWeb編集室

※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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