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“やっと出会えた”里子と里親から本当の家族に。保護犬を迎えるということ

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アリエル

「最初はすぐに飼うことができると思ってた。でも、探し始めたらすごく大変なことなんだとわかった」

そう話すのは、都内近郊に住む原田夫妻。

長年連れ添ったゴールデン・レトリーバーのアリスを亡くしてから半年、もうそろそろ次のコを飼ってみてもいいかなといろいろ探し始めたそうです。

そんなときに「保護犬」の存在を知り、「ペットのおうち」という里親募集サイトにたどり着きます。

お互い、大型犬を飼った経験しかないため、大型犬、特にレオンベルガーを飼いたいと思ってはいたそうですが、とにかくそのときはサイトのすべてのページに目を通しながら、里親になろうという決心を固めていったそうです。

その後、犬種をゴールデン・レトリーバーに絞って探すのですが、里親を探している人と直接連絡を取り始めても途中で連絡がこなくなったり、多くの金額を要求してくる人がいたり、タイミングが悪くご縁に繋がらなかったりと、当初思っていたよりかなりの時間や労力が必要だったとか。


そんなとき、後に家族になるアリエルと巡り会います。

アリエル

アリエルはそのとき、浜松に住むブリーダーに飼われていました。しかし、赤ちゃんを産んでも育たず、「繁殖不向き」ということで里子に出されていたそうです。

そのときアリエルは2才。人間の年齢でいうと20代なかばで、体も充分大きくなっていました。

ペットを飼い始めるとき、赤ちゃんや子供のころから育てたいという人が多いかもしれませんが、原田夫妻は犬を飼った経験があったこともあり、年齢のことはまったく気にしなかったと言います。

それよりも、探しに探してやっと繋がったご縁が大切だと考えました。「信頼できる人じゃないとうちの子は里子に出さない」というブリーダーにも気に入られ、めでたくアリエルを家に迎えることに。

でも、おうちに来た当初はいろいろと大変なこともあったようです。

家に迎えてからの苦労

アリエル

「ブリーダーさんのおうちに行くと、犬は一匹ずつ狭いケージに入れられていました。庭はありましたが、外に出したとしてもそこで放し飼いのようにしていただけだからか、リードをつけて“散歩する”という概念がアリエルの中にありませんでした。

でも、なんとか散歩させたいと外へ出かけようとしたとき、家の前のちょっとした鉄製の坂を降りることができず尻込みしてしまったんです。試行錯誤した結果、人工芝を轢いたらようやく外に出られるようになって。

家に来た当初は、もっと目がつりあがって緊張しているような顔つきでしたが、外に出ることができた瞬間、嬉しそうに笑っている表情をしたことはよく覚えています」

アリエル

それ以外にも大変なことはあったようで……

「これは最初、どこの犬もそうだとは思うんですが、トイレを覚えさせるのが大変でした。ブリーダーの家にいたときはトイレという存在も知らずに、庭の好きなところでさせていたんだと思います。

どうやって覚えさせたかというと、ケージの中にずっと入れておいて、ウンチやオシッコをしたらすっごい褒めてあげる、っていうことを繰り返して覚えさせましたね」

アリエル

「アリエルは車もそれまで見たことがなかったからか、歩道を歩いていても車が横を通るとビビって、急に走り出したりしちゃうんです。リードを持っていたら引っ張られて転んでしまったこともありました。

吠えないし噛まないし、性格は穏やかで人も大好きなんですが、車や大きな音は苦手。いったん興奮すると止めるのが難しいので、散歩のときは特に注意しています」

原田夫妻の家では猫も飼っているのですが、アリエルが家に来た当初は、猫の餌を夜中にこっそり食べてしまうこともあったのだとか。

トイレをする場所や、入ってはいけない場所の境界線、しつけも一から教えたため、体は大きくても子犬を育てているようだったと原田夫妻は話します。

一緒におでかけできるようになって

アリエル

おでかけできるようになってからは、アリエルと一緒にドライブへ出かけることも。

「今日は一緒に出かけるという日は、普通にしているつもりでも自分たちが楽しみにしていることがアリエルに伝わって興奮しちゃうんですよ。だから、前日の夜から首輪をして心構えをさせておくこともあります。

逆に、連れて行く気がないときは、まったく反応しないんですよ。そういうのを見てると、人の心情がわかるんだろうなとは思いますね」

犬を飼うということは一生面倒を見るということ

アリエル

犬を探しているときは、本当に大変で挫折しそうにもなったそうですが、その時間がある意味“里子を家に迎える”ということの心構えにもなったそうです。

「アリエルはまだ、そこまでではなかったと思いますが、他にはもっとかわいそうと思ってしまう境遇の子がたくさんいます。

でも、本当に里親になる決心をしたんだとしたら、かわいそうな子だと思って甘やかしちゃいけないんですよね。それはそれ、うちはうち。うちの子として厳しくしつけをしながら、一緒に暮らしていかないといけないと思います」

これは保護犬を飼う、という以前に、犬やペットを飼う人すべてに当てはまりますが、飼う前も飼ってからも、その犬の元々の性格や特徴を理解した上で飼わなければいけません。

ただかわいいだけで飼ってしまうと、思っていたのと違うと思うことはたくさん出てきます。出会った子を一生面倒見る気持ちで飼わなければいけない、と話されていました。

アリエル

実は、大変だった話などは結構忘れてしまっていたことが多かったようで、お話をしながら「本当、忘れてること多いね」「あ〜、そんなこともあったね」と、ぽつりぽつりと思い出されていました。

「でも、改めて思い出してみたらやっぱり、来たときとは別の犬みたいだなとは思います。顔つきも違うし、甘え方も知らなかったんだろうけど、今では甘えてきてくれる」と話す原田夫妻。

出会うまでの苦労、そして家に迎えてから大変だったことも、今では遠い記憶の中。

でも今、そう感じることができるのは、原田夫妻にとってもアリエルにとっても、“やっと出会えた”本当の家族に巡り合うことができたからかもしれません。

取材・文/Ayano Yamabuki

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