犬は話すことができないため、飼い主さんにはしぐさで気持ちを伝えています。今回は愛犬がみせるしぐさのなかから、愛犬がストレスを感じているときに見せるしぐさ「カーミングシグナル」について、獣医師の菊池亜都子先生に解説していただきました。
カーミングシグナルとは?
人が恐怖や緊張などストレスを感じたときに、手をぐっと握ったり、頭をかいたりするのと同じように、犬にも同じようなしぐさがみられることがあり、それを「カーミングシグナル」といいます。
カーミングシグナルは、ストレスを感じている自分や、ほかの犬や人の気持ちを落ち着かせようとするときにみられるため、犬の「イヤですサイン」と呼ばれることも。
意外と多くの場面でみられるので、飼い主さんは愛犬の様子をよく観察し、愛犬の出しているサインに気づいてあげましょう。
カーミングシグナルを知るメリットとは?
不要なストレスを回避できる
愛犬のイヤですサインを知り、ふだんの生活のなかで意識して見てみてください。今までよりも、愛犬のストレスに多く気付くことができるようになるため、与えなくてもいいストレスをさけることができます。
愛犬との絆アップ
愛犬のストレスに気づき、避けてあげることで、愛犬の飼い主さんへの信頼度が高まり、絆がアップするでしょう。頼りになる飼い主さんになれるので、愛犬ともっと仲よくなれるかもしれません。
人でも応用できるかも!?
背中を向けたり、目を逸らしたりなど飼い主さんが使えるサインも多くあります。興奮している愛犬に「落ち着いて」と伝えられるように、興奮しすぎたときに使うことで、愛犬を冷静にできることも。積極的に使ってみましょう。
もしかしたらそのしぐさカーミングシグナルかも!?
しっぽを振る
飼い主さんがおこっているときなど、上目づかいをしながらしっぽを振ることはありませんか?
これは、飼い主さんに対して「落ち着いてよ~」と伝えているサインです。自分を無邪気に見せることで、相手の緊張をゆるませようとしています。
オスワリをする
飼い主さんに注意されたときや、苦手な犬が近くにいるときなど、ストレスを感じると冷静になるためにオスワリすることがあります。
オスワリは立った状態よりも攻撃するまでに時間がかかるポーズでもあるため、警戒している犬に「攻撃しないから、あなたも攻撃しないでね」と伝えることもできるのです。
フセをする
立場が上位の犬が、緊張状態の下位の犬に対して、「攻撃しないから怖がらないで」と緊張を解く気持ちで行うことがあります。
また、複数の犬が遊んでいる最中に、ヒートアップしすぎてしまったとき、一番余裕のある犬が「いったん落ち着こう」と制することも。
イヤですサインは、状況によって違う意味を持つことがあります。ひとつのサインだけにとらわれず、愛犬の表情や体全体を観察して、そのときの状況と合わせてチェックしましょう。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「いぬのきもち」2019年9月号『愛犬の気持ちを知るヒントになる!愛犬の意外な“イヤですサイン”に気づこう!』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。