夏は連日の暑さで夏バテになり、犬も食欲が低下する季節。愛犬を栄養不足や体調不良にさせないために対策は必須です。そこで、最低限の工夫でこの夏の食欲不振を解消する方法を、獣医師の畦元香月先生とドッグトレーナーの岡田敏宏先生に聞きました。
夏バテによる食欲の低下で、栄養不足になる犬も!
夏は、暑さによる消化機能の低下や運動量の減少で食欲が落ちやすい時季です。必要な栄養がとれずに筋肉量が低下したり、フードを食べない日が数日間続けば栄養不足になる犬も。フードを食べないからとおやつばかりを与えてしまうと、肥満の原因にもなりえます。総合栄養食を基本にした食事を与えて、犬に必要な栄養をとらせることが肝心です。
ドライフードを芯がなくなるまで蒸らして〝ふやかしフード〞に!
まず試してほしいのは、ニオイが立って食いつきがよくなるうえ、消化もしやすい〝ふやかしフード〞。「ポイントは、お米を炊くように丁寧に作ること。多くの犬はこれで食べてくれましたよ!」(岡田先生)。
1.ボウルに入れたフードが浸かるまで熱湯を注ぐ
2.5~10分ラップをして蒸らす
3.粒をつぶして芯がなければ完成。表面にかたい部分が残っていれば、軽く混ぜて1~2分おいてから与えて
夏場のフードの劣化が食欲不振につながることも!
夏の高温多湿の環境でフードが気づかないうちに劣化し、酸化した油分のニオイなどが気になって食欲不振に陥るケースも。小分けされているフードを選んだり、冷蔵庫を活用したりして、劣化しない工夫を!
体が整う胃腸ケア&熱出し食材をちょい足し
フードを食べる量が減ったときに、嗜好性の高いおやつを与えると、胃腸の負担になることがあるのでNG。トッピングやおやつ代わりに、不調をケアできる野菜をプラスすると、体が整いやすく、食欲不振の解消につながります。(畦元先生)
【トマト】胃腸の働きを助ける
消化を促進したり、体の熱を冷ます食材。皮をむいて小さくカットして与えて。1日の目安量は健康な5㎏の犬には10ℊ。
【レタス】体にこもった熱を排出
体の中にこもった余分な熱や老廃物を体の外に出す食材。ゆでて小さく刻んで与えて。1日の目安量は健康な5㎏の犬には10ℊ。
【アスパラガス】体にこもった熱を排出
体の熱を出す&消化吸収を高める食材。かたい根元の皮は取り、ゆでてから小さく刻んで与えて。1日の目安量は健康な5㎏の犬には10ℊ。
【オクラ】体にうるおいを補う
体にうるおいを与え、腸を整える食材。ゆでてから食べやすく刻んで与えて。1日の目安量は健康な5㎏の犬には10ℊ。
きゅうりやすいかは水分をとりすぎたときに与えると◎!
きゅうりやすいかは水分補給として与える方が多いですが利尿作用が強め。水分をとりすぎたときに適量与えると、余分な水分が体から出てむくみなどが解消しやすくなります。与えすぎると下痢などになるので注意!
最低限の工夫でできる食欲不振の解消法をご紹介しました。ただし、数日間ゴハンの量が減ったり、食べなくなったときは、夏バテではなく病気のおそれもあるので、まずは動物病院へ。体に問題がなければ、ご紹介した方法を試してみてくださいね。
お話を伺った先生/「アニマルリハクリニックかつき」院長、獣医師 畦元香月先生。しつけ教室「Pet Life Consultingシンビオーシス」代表、ドッグトレーナー 岡田敏宏先生
参考/「いぬのきもち」2024年8月号『賢い夏ぐらし』
写真/殿村忠博
文/いぬのきもち編集室