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脳の病気が原因で起きている可能性も 注意したい犬の症状4選

進行すると命にかかわるものもある、犬の脳の病気。早期発見・早期治療のためにも、飼い主さんはまず犬の脳の病気の症状を知ることが大切です。今回は、脳の病気が疑われる犬の4つの症状について、獣医師の松永悟先生に伺いました。

発作が起きる

床にあごをつけて伏せる犬
Liudmila Chernetska/gettyimages
脳の病気が原因で急激にあらわれる症状に、発作があります。発作は大脳に異常があるときに起こり、突然意識を失うように倒れ、4本の足を突っ張らせたり、全身をけいれんさせたりします。なかには、ウンチをもらしたり、失禁したりすることも。

発作が起きる場合、多くはてんかんが疑われ、ほかに水頭症や脳炎、脳梗塞、脳腫瘍などの病気も疑われます。通常であれば、発作は数十秒から数分程度でおさまります。発作中は、飼い主さんは犬の安全だけを確保するようにし、声をかけたり触れたりしないようにしましょう。

体の一部分だけで起きる、わかりにくい発作もある

「全般性発作」という全身にあらわれる発作に対し、体の一部分のみに起きる「焦点性発作」があります。異常が大脳の一部にとどまっているときは、顔面をピクピクさせる、倒れはしないまでも動けないなど、発作の症状も部分的です。

平衡感覚が悪くなる

後ろを振り返るジャック・ラッセル・テリア
Wirestock/gettyimages
脳幹や小脳の異常により起きる症状が、平衡感覚が悪くなるというもの。左右のいずれかに頭や体が傾き、立つことができない、眼球が異常に動く、歩行がうまくできないなどの症状が出ます。一方向にだけグルグル回るように歩き、そのまま転んでしまうようなことも。脳幹や小脳のほか、耳の奥にある内耳に問題があるときも同様の症状が起きます。

犬の平衡感覚が悪くなるときは、脳炎や脳梗塞、脳腫瘍、前庭疾患などの脳の病気が疑われます。

異常行動が見られる

カーペットの上に伏せる犬
SeventyFour/gettyimages
大脳の異常によって、犬の行動と知性に変化があらわれます。たとえば、特定のおもちゃだけに異常な執着を見せるようになったり、ゴハンの場所が突然わからなくなるなど、理解していたことが急にわからなくなったりすることも。ときには、飼い主さんのことがわからなくなることもあります。

そのほかにも、実際には存在しないものへ反応するなど、異常行動のパターンはさまざま。愛犬に今までと変わったことがあったら要注意です。なお、愛犬に異常行動が見られる場合は、水頭症、脳炎、脳腫瘍といった病気が疑われます。

体に麻痺が出る

床に伏せるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
meganemegane/gettyimages
体の一部や全体が思いどおりに動かなくなるのが麻痺。筋肉組織や末梢神経の損傷などが原因で起きることもありますが、おもに脳や脊髄の中枢神経の異常によって起きます。まったく動かせない完全麻痺から、少しは動かせる軽~中度のものまであります。麻痺の症状が出る場合は、水頭症や脳炎、脳梗塞、脳腫瘍などの病気が疑われます。
脳の病気は症状がさまざまで、重大な病気であっても初期は症状がない、もしくは軽微であるケースも少なくありません。愛犬の様子がおかしいと思ったら早めに動物病院へ行き、検査の必要性の有無も含め、獣医師に相談するようにしましょう。
お話を伺った先生/松永悟先生(獣医師 「日本動物高度医療センター」脳神経科科長)
参考/「いぬのきもち」2024年6月号『人気の犬種がかかりやすい!? 知っておきたい脳の病気』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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