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【獣医師監修】犬の寝言は夢を見てる?犬の睡眠の解説。人との違いは?

愛犬が寝言を言うことはありませんか?そんなとき彼らは、夢を見ているのか気になりますよね。そこで今回は、犬の寝言の種類やレム睡眠・ノンレム睡眠について、犬も夢を見ているのかどうか、いびきから疑われる病気など、犬の睡眠について解説していきます。

芝崎 考次郎 先生

 獣医師
 相模大野プリモ動物病院副院長

 日本獣医生命科学大学卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医エキゾチック動物学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/エキゾチックペット診療

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犬の寝言は種類が豊富♡キュンキュンからクーンまで

愛犬がぐっすり眠っている昼下がり、私ものんびり読書でも…。と思ったら、突然「ウーッ」という唸り声が!「なにごと?」と愛犬を振り返っても、眠りの真っ最中。これは「犬が寝言を言った」ということなのでしょうか?

以前「いぬのきもち」で1,474人の飼い主さんに行ったアンケートでは、「愛犬が寝言で吠えることがある」と答えた飼い主さんは、56.4%。なんと半数以上の飼い主さんが「犬の寝言を聞いたことがある」と答えています。

その寝言も多種多様。先述したように唸り声をあげる犬、高い声で「キャンキャン」と鳴く犬、子犬のように「クゥ~ン」と甘える犬、また、声にならない声を出しクンクンと頭を動かす犬もいます。寝言と一緒に、手足をけいれんさせる犬もいるのだそう。

愛犬が眠っている姿は見ていると和む光景ですが、寝言や手足をピクピクさせているときは、起こした方がいいのか迷ってしまうこともありますよね。今回は、睡眠のメカニズムから危険ないびきまで、犬の睡眠について掘り下げてみましょう。

レム睡眠・ノンレム睡眠のメカニズム!

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私たち、人の睡眠を解説する際に使われる「レム・ノンレム睡眠」という言葉は、寝ているときの眠りの深さを表す言葉です。一般的な人の睡眠は、まずノンレム睡眠から始まります。ノンレム睡眠とは、脳や肉体の疲労回復に重要な睡眠。ぐっすり深く寝入っている状態です。そして徐々に眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行していきます。

レム睡眠とは、体を休ませていても脳は活発に動いている状態のこと。記憶の整理や定着が行われているといわれています。そして、このときに人は夢を見るのです。睡眠時間にもよりますが、このレム・ノンレム睡眠を一晩に3~5回繰り返し、睡眠の後半になるにつれてレム睡眠が増えます。

犬も夢を見るの?

それでは、犬も夢を見ているのでしょうか?人の夢はレム・ノンレム睡眠に関係があることが分かっていますが、犬の睡眠のメカニズムには、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。しかし、レム・ノンレム睡眠を交互に繰り返していることは分かっていますので、人と同じように犬もレム睡眠時に夢を見ている可能性はあります。

犬も、脳内で記憶の整理や定着をしている睡眠時に、夢をみながら寝言を言ったり手足を動かしたりしているのかもしれません。できれば、どんな夢を見ているのか聞いてみたいですね。

睡眠中の寝言や行動|食べてる?走ってる?

皆さんの愛犬が寝ているときは、どんな格好でしょうか?もし犬が夢を見ているとしたら、寝言や寝ているときの行動から、夢を推察できそうですよね。たとえば、しっぽをフリフリ寝言で「クゥ~ン」と甘えた声を出していたら、母犬とのふれ合いを思い出す夢を見ているのかもしれません。

足を忙しく動かしていたら走り回っている夢、「ウーッ」と唸っていたら怖い夢、口をモグモグさせていたら美味しいおやつにありついた夢など、想像するだけでも楽しくなりますね。

犬の睡眠時間は、成犬で12~15時間だといわれています。そのうちぐっすり眠るノンレム睡眠は2割程度といわれ、大部分は脳が動いているレム睡眠。これは野生のときの習性で、敵が近づいてきても素早く反応するためだといわれています。

いびきは寝言より危険な信号!

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クンクンと夢の中で会話をしているような寝言なら心配はいりませんが、いびきをかいているときは注意が必要かもしれません。いびきとは、眠っているときに口や鼻から出る雑音。うるさいだけでなく、人の世界ではいびきの専門科が設けられるほど問題視されています。

犬のいびきも人と同じく病気が隠されている場合があります。パグやブルドッグ、シーズー、ボストンテリアなどの短頭種はいびきをかきやすいといわれていますが、のどや気管、鼻に異常が起きているときも、大きな音のいびきをかきます。
また、いびきだけでなく、犬の睡眠時無呼吸症候群も最近では認められています。酷くなると寝られなくなる犬も。苦しそうにしている場合はすぐに病院に連れて行ってあげましょう。

いびきに関連して以下のような状態が疑われるときは、早めにかかりつけの獣医師の診察を受けてください。

軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

軟口蓋と呼ばれる、のどの手前にある上あごの部分が生まれつき長く、のどの入り口に垂れ下がってしまっている状態のこと。先天的な形態異常が原因とされています。空気の通り道が狭いため、呼吸の際などは苦しそうになります。パグやペキニーズ、ブルドッグなどの短頭種に多く見られます。

先天的に異常が無くても、鼻腔の狭い短頭種が呼吸をするたびに軟口蓋が引っ張られ、徐々に伸びることで、後天的に発症することもあります。運動時や興奮したときにゼーゼーと音を立てる、睡眠中にいびきをかく、水を飲み込みにくいといった症状がみられ、重症化すると呼吸困難やチアノーゼを発症することがあります。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(軟口蓋過長症)」

気管虚脱

気管が正常な状態を保つことができず、扁平につぶれてしまう病気です。徐々に呼吸が困難になり、悪化するとチアノーゼや、よだれをたらしてあえぐ呼吸困難を起こす場合があります。先天的な異常のほか、肥満などが原因になり得ます。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(気管虚脱)」

起こした方がいい?対策法は「見守り」

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寝言や体の動き、愛犬が寝ているときの姿には、不思議がたくさん詰まっています。その中でも、苦しそうに唸っているときや、「キャンキャン」と助けを求めるような高い声を出している場合は、起こした方がいいのか迷ってしまうこともあると思います。

しかし、心配はいりません。人と同じように「犬は夢を見ている」と仮定すると、夢は脳内で行われている記憶の整理です。この整理を行うことで、犬も嬉しいことや楽しいこと、怒られたこと、悲しいことなどを経験として残せるのです。

愛犬には、いろいろなことを思い出として残していってほしいですよね。そのために必要であろう寝言は、温かく見守ってあげましょう。
参考/『いぬのきもち』2017年1月号「新春 寝姿まつり」(監修:藤井仁美先生)
   『いぬのきもち』WEB MAGAZINE「夢を見ているかも!犬が寝言で吠える割合は……」
監修/芝崎考次郎先生(相模大野プリモ動物病院副院長)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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