ノミやダニ、蚊が活動的になる季節に注意!
ノミの吸血によって生じる病気
平均気温が20℃を超える5月は、犬の病気の原因となりやすい3つの虫、ノミ・ダニ・蚊が活動的になる時期とされています。草むらや家のなかのカーペット、ソファーなどに潜んでいるノミが犬の体に吸血すると、皮膚にかゆみや赤みが生じます。
その後ノミの唾液に反応すると、アレルギー症状を引き起こす「ノミアレルギー性皮膚炎」を発症してしまう可能性も。この病気を発症すると、かゆみや赤みに加えて湿疹や脱毛の症状が見られます。
ダニが原因の病気
近年人でも感染症を媒介することでも話題となっている「マダニの寄生」は、犬にも多く見られる病気のひとつです。草むらなどに潜んでいるマダニは、犬の体温や二酸化炭素に反応して体に寄生。特に目や口などの顔まわり、肛門の周辺など皮膚の薄い場所は狙われやすいといわれています。
かゆみは少ないものの、アレルギー反応を起こすことで皮膚炎の発症や、寄生したマダニの数によっては貧血症状が見られることもあります。もし愛犬がしきりに耳をかいたり、頭を振ったりするしぐさを見せた際には、耳道にミミヒセンダニが寄生して、黒い耳アカが出る「耳かいせん症」にかかっている可能性もあります。
蚊に血を吸われることが原因の病気
フィラリアに感染した蚊に血を吸われることで発症する「フィラリア症」もまた、注意が必要な病気。フィラリア症にかかると心臓の機能が低下し、セキが出たり運動を嫌がったりします。その後病気が重症化すると、肺水腫や心不全などの命に関わる病気の併発にもつながります。
ノミ・ダニ寄生&フィラリア症予防の実施状況
ノミ・ダニ寄生予防の実施状況
ノミ・ダニ寄生の予防についてのある調査では、約4割もの飼い主さんが予防を忘れることがある、もしくは予防をしていないと回答しました。ノミやダニは、15℃以上の環境であれば冬の室内であっても活動できるといわれていますので、寒い季節だからと油断することなく、一年を通して予防を徹底することが大切です。
フィラリア症予防の実施状況
一方でフィラリア症予防については、9割近くの飼い主さんが「毎月している」と回答しました。フィラリア症の場合は命に関わる恐れもありますので、その分ノミ・ダニ寄生よりも飼い主さんたちの危機意識が高く、予防が浸透しているのかもしれません。
ノミ・ダニ寄生&フィラリア症の予防の心得
ノミ・ダニ寄生やフィラリア症は、定期的に予防薬を使用することで発症のリスクを軽減できます。愛犬をこれらの虫から守るためにも、今回解説する4つの予防法を忘れずに行ってください。
虫の出やすい場所には近づかない
散歩やお出かけ等で外出する際には、虫が少ない場所を選んで歩くようにしましょう。草木が生い茂った場所や川、湖などの水辺は特に蚊などの虫が発生しやすいので、近づかないようにしてください。
散歩やお出かけの前後にしっかりとしたケアを
定期的な予防薬に加えて、外出前は犬用の虫よけスプレーを塗布することで、虫に対するガード力が高まります。帰宅したあとは、愛犬の体の汚れている箇所を拭いたり、マダニが付着していないかを確認したりするのも忘れずに。
予防薬を投与する
フィラリアの予防は地域によって多少時期は異なりますが、基本的には蚊の活動時期に合わせて行われることが多いです。気候が暖かくなってくる4月中旬~5月ごろから予防をはじめ、11月~12月ごろまで続けるようにしてください。
ノミ・ダニを予防するためには定期的なブラッシングやシャンプーを徹底して
愛犬の毛がからまって皮膚が蒸れてしまったり、シャンプー不足で皮脂がたまったりしていると、体表にノミやダニが付着しやすくなります。そうならないためにも、毎日のブラッシングや、2週間に1度のシャンプーを徹底することが大切です。体表についたノミやダニを落とし、皮膚の状態を整えることを心がけましょう。
定期的な予防薬+飼い主さんのケアや工夫で病気を防ぐ
ノミやダニ、蚊が活動的になる時期には、定期的な予防薬に加えて飼い主さんのケアや日常的な工夫が欠かせません。虫の寄生によって生じる危険な病気を予防するためにも、今回紹介したことを日常生活で実践していってくださいね。
参考/「いぬのきもち」18年5月号『データで解析! 今月の予防したい犬の病気』(監修:フジタ動物病院 院長 獣医学博士 藤田桂一先生、フジタ動物病院 獣医師 木元美樹先生 データ提供:アニコム損保保険株式会社)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。