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いざというときに命を守る! 「おうちシェルター」の工夫と過ごし方
おうちシェルターとは
「おうちシェルター」づくりのポイント
災害が就寝時に起きることを想定して、枕元に底のしっかりした運動靴を準備。移動の際にこれを履いて割れたガラスなどから足を守りつつ、愛犬を確保してキャリーへ。大型犬ならリードをつけて愛犬があちこち行かないようにしても。
避難時の経路はできるだけ2つ以上想定を。経路の周辺には倒れたり割れたり横滑りしたりするおそれのある家具類は置かないで。避難の妨げになります。
●サークルは壁に固定。落下物を防げるよう屋根もつける
強い地震に見舞われると、サークルも倒れたり大きく横に滑ったりするおそれが。転倒や横滑りを防ぐために、フックなどで壁に固定するといいでしょう。また落下物を防ぐために、必ず屋根をつけるようにして。
●窓に飛散防止フィルムを貼る
台風による強風で窓に飛来物がぶつかると、窓が割れてガラスが飛び散る危険が。飛散防止フィルムを貼ればこの飛び散りを最小限に防げます。窓だけでなく、棚のガラス扉などにも貼ると、地震で棚が倒れたときに役立ちます。
クレートもただ置いただけでは、激しい揺れの際に転がってしまいます。壁にフックなどを取りつけ、そこにワイヤーなどを使って転がらないように引っかけたり、背の低い家具と家具ではさんだりして転倒しないように工夫しましょう。
家具や、テレビ、冷蔵庫などの家電は、地震の際に倒れるだけでなく、横に滑ります。そのため市販の防災グッズで壁や床に固定を。固定しにくいテーブルなどは、脚に耐震マットなどの滑り止めをつけると◎。飾りや小物も、下に耐震マットを敷くか、美術品専用の転倒防止接着剤を使って固定する手も。ちなみに、防災グッズの購入に対して、自治体などから助成金が支給されることもあります。
●停電時でも使用できるウォーターサーバーがあると便利
ウォーターサーバーを新たに置こうと考えているのなら、停電になっても使えるボトルタイプがおすすめ。大容量のボトルはそのまま水の備蓄になります。なお水の種類は、硬水を犬に常飲させると病気を誘発するかもしれないので、軟水を選んで。
●感震ブレーカーを設置して停電復旧後の火災を防ぐ
災害時は停電が起きがちですが、怖いのが停電の復旧後。たとえば電源を入れたままにしていたアイロンが再びオンになり火災を起こすことも。それを防ぐのが感震ブレーカーで、地震の際に自動的にブレーカーを遮断します。コンセントに差すだけのものから、電気工事が必要なものまで各種あります。
※電気復旧後は、通電火災を防ぐため、家電の電源コードをいったんすべて抜いてからブレーカーを上げましょう。
●戸棚の扉に「耐震ラッチ」をつけて、揺れで中身が飛び出さないようにする
耐震ラッチとは、揺れを感知すると棚の開き扉にロックがかかる防災グッズで、DIYで取りつけられるものが量販店などで販売されています。中身が滑り落ちると危険なキッチンのつり戸棚や、重い本などを並べた戸棚につけると安心です。
家の中でガラス管の蛍光灯を使っている場所があるのなら、飛散防止タイプのLED灯に替えるのもおすすめ。電球も、ガラスタイプではなく樹脂製の割れにくいもの、もしくは飛散防止処理が施されているものに替えると◎。
※蛍光灯からLEDへの交換は、器具交換が必要な場合があるため、電気工事会社に相談を。
「おうちシェルター」での過ごし方
ゴハンや遊びなどは、できるだけいつもどおりのお世話を心がけると、愛犬を不安がらせずにすみます。飼い主さんがあわてると「いつもどおり」が難しくなるので、在宅避難の訓練をしておくと、有事でもあわてにくいです。
状況が許すなら散歩へ連れ出しても。ただ、がれきなどが散乱している場所は避けて。水害の場合は、水が引くまでは感染症のおそれがあるので外出を控えます。また地面が乾いたあとは土ボコリが舞いやすくなるので、帰宅後は愛犬の体をよく拭くか、ドライシャンプーで清潔を保って。
●できるだけ避難所へ出向き、情報収集を!
情報や支援物資は基本的には指定避難所に集まります。そのため可能な限り避難所へ行って情報収集すると◎。避難所ではペットの有無を含めた在宅避難者リストを作成している自治体もあり、登録すれば在宅でも支援が受けられる可能性も。居住の自治体に確認を。
参考/「いぬのきもち」2025年3月号『おうちシェルターのつくり方』
イラスト/井上明香
文/いぬのきもち編集室
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