夏の風物詩といえば、花火大会。人にとっては楽しみでも、犬にとって花火の音はストレスになることがあります。また、同じく夏に多い雷も、犬にとってはストレスの元凶。これから増える花火や雷の音など、犬が感じる「悪いストレス」とその対処法について解説します。
そもそも「悪いストレス」とは?
「悪いストレス」とは、犬が生活していく上で一切必要のないストレスのこと。そんな「悪いストレス」は、大きく5種類に分けることができます。
①空腹・のどの渇き
日常的に水や食べ物が与えられず、犬が空腹やのどの渇きを感じることで感じるストレスです。まれに真夏などには、車内で脱水症状になるケースもあるので注意しましょう。
②不快な生活環境
寒すぎたり暑すぎたり、寝る場所が汚れていたりなど、犬が不快な環境に置かれることで感じるストレスです。エアコンで湿度・温度調節をするなど、日常的に生活環境をよくする工夫をしましょう。
③犬らしい行動の禁止
ニオイを嗅ぐことによる探索や、獲物を追いかけての捕獲など、犬らしい行動欲求が満たされないこともストレスになります。この場合は、遊びや散歩などで欲求を満たしてあげることが大切です。
④肉体的苦痛
病気やケガをしているのに放置されたり、「しつけ」と称して体罰を与えられたりするのも、当然ですがストレスにつながります。日常的に犬の全身をチェックしたり、定期的に動物病院を受診したりと、健康管理には気を配りましょう。
⑤精神的苦痛
犬が苦手なものなどに対する恐怖心や不安からも、ストレスを感じます。飼い主さんが早めに察知して、回避してあげることがポイントです。なお、花火や雷はこちらに分類されます。
「精神的苦痛」の一つ、花火と雷には注意して!
以上のように、ほとんどの「悪いストレス」は、飼い主さんがきちんとお世話をしていれば防げるものばかりです。しかし、「精神的苦痛」によるストレスには少し注意が必要です。
飼い主さんが意図しないケースも
「悪いストレス」のうち「精神的苦痛」に関しては、飼い主さんが愛犬の様子を見ながら、“そのストレスに慣れさせる”必要のあるケースも出てきます。なかでも、夏になると増える花火や雷の音による「精神的苦痛」は、飼い主さんが意図せず与えてしまうものなので、対処にも気を配りましょう。
花火・雷による「悪いストレス」対処法
近くで花火大会が開催されるときや、雷が落ちそうな悪天候のときは、雨戸やカーテンがあって、外の音が聞こえにくい部屋の「壁側」に犬を移動させるといいでしょう。また、クレートの中に犬を入れるのもおすすめです。
他にも、ふだんから効果音のCDやDVDなどを使って、おやつを与えながら雷や花火の音にならしておくのも一つの手です。
花火や雷の音を怖がったら、優しく声をかけてあげて!
花火や雷の音に対して犬が恐怖心を感じると、吠えたり震えたりすることもあるでしょう。そんなときは「大丈夫よ」と、なでながら優しく声をかけるなどして、愛犬の不安を取り除いてあげるのも大切です。愛犬を「悪いストレス」から守るのは、飼い主さんの責務です。しっかりと対処していきましょうね。
参考/「いぬのきもち」2017年9月号『乗り越えればHAPPYになるストレスもある!犬にいいストレス・悪いストレス』(監修:「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。