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【獣医師監修】犬のリンパ腫 その症状、抗がん剤治療とその費用は
リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化する病気です。犬の血液の腫瘍のなかではもっとも発生率が高いといわれています。全身を循環しているリンパ球が腫瘍化するので、全身に腫瘍細胞が広がり、リンパ節や消化器、皮膚など様々な部位で病変がみられます。このため、治療はそれらの病変部に対する治療だけでなく、全身の治療として抗がん剤を用いた治療も行うのが一般的です。ここでは、そのようなリンパ腫の症状から治療方法までを詳しく解説します。
複数のリンパ節が同時に腫れて大きくなると疑いあり
リンパ腫を発症するとこれらのリンパ節が正常な範囲を超えて大きくなり、体中の複数のリンパ節が同時に腫れるなどの異常がみられます。首回りのリンパ節が腫れた場合、喉や食道、気管を圧迫するので、呼吸器系の症状を併発したり、食欲がなくなったりすることがありますが、多くの場合、症状がかなり進むまでそれ以外の目立った症状が出ずに経過することも多く注意が必要です。
リンパ節は体内各所にあるので、発症した場所によってさまざまな症状が現れます。犬でよく見られるのが、全身の体表のリンパ節の腫れが起こる、多中心型と呼ばれるタイプのリンパ腫です。
7才以上のシニア犬は要注意
犬のリンパ腫は、7才以上のシニア犬で発症しやすくなるといわれています。腫瘍化したリンパ球の影響でリンパ節が腫れ、全身性の発熱、食欲不振、虚弱を伴ったりする他、腫瘍化したリンパ球が皮膚や消化器、腎臓などのリンパ節以外の臓器にも浸潤し、さまざまな悪影響を及ぼします。進行すると、貧血や血液の凝固異常、免疫不全といった症状を引き起こして犬の体を弱らせ、亡くなってしまうことも多いです。
治療の中心は抗がん剤の投与
気になるのが治療費の問題ですが、リンパ腫や全身の状態、使用される抗がん剤の種類、犬の体重、投与の頻度などによって大きく異なります。月に数万円以上かかる場合も珍しくありません。詳しくは担当の獣医師と相談して、どのような方針で治療を行うのかと合わせて相談してみてください。
また、がんを患うと様々な栄養素の代謝の変化が起こるので、食べているのにやせてくるというがん性悪液質が起こります。がん細胞はブドウ糖をエネルギー源とするので、基本は低糖質、低炭水化物、高品質な脂肪とタンパク質の食事が望ましいです。ただし犬用サプリメントを与えたり、手作り食を与えたりする場合は、抗がん剤の作用を弱めてしまうこともあるので、担当の獣医師に相談してください。
毎日のスキンシップで早期発見
愛犬とのスキンシップを毎日の日課にすれば「いつもと違う」と、愛犬の病気に早く気がつけるようになるはずです。
まとめ
早く見つけるためにも、愛犬とのスキンシップを積極的に取りましょう。
治療では、抗がん剤の使用も含め、今後愛犬とどのように暮らしていくのかを改めて問われるシーンも出てくるかもしれません。病気にかかった愛犬が飼い主との楽しい生活をなるべく長く続けられるよう、しっかり考え、かかりつけの獣医師ともよく相談するようにしましょう。
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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