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愛犬を守るために知っておきたい イマドキ!犬の医療事情
今月のテーマ「外耳炎」
3月末〜夏に発症・悪化。外耳道は分泌物がたまりやすい
犬の耳道は狭く、L字に曲がっています。外耳炎による炎症により、耳道がさらに狭くなる、分泌物が増えて細菌が繁殖しやすくなるなどの条件がそろうと悪循環に陥りがちです。また、炎症が慢性化すると耳道が石灰化し、手術が必要になることもあります。進行すると、中耳炎や内耳炎になってしまうことも。犬が耳をかゆがる様子を見せたら、すぐに動物病院へ。早期発見と治療を心がけて。
こんなしぐさや様子が見られたら外耳炎かも?
外耳炎の主な要因
異物・・・犬自身の毛、草や種、砂、泥などの異物が耳に入り、その刺激で分泌物が増えたり、耳道が狭くなるなどして発症します。川、海、森などへお出かけした際は、耳の中をチェックするとよいでしょう。
アレルギー性皮膚炎・・・食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎の最初の症状として、外耳炎が引き起こされることが多いようです。アレルギー性皮膚炎の場合、同時に左右両方の耳で発症するのが特徴です。完治するのはなかなか難しいため、早めに治療し、症状を軽く抑えることが大切です。アレルギー性皮膚炎は若い時期から発症することが多いですが、食物アレルギーの場合は、シニア期になって初めて発症することもあります。
甲状腺機能低下症・・・甲状腺は犬ののどにある器官で、そこから分泌されるホルモンは全身の代謝を上げる働
きがあります。これが低下すると外耳炎になりやすくなるほか、皮膚全体が乾燥してフケが目立ち、毛が薄くなります。
腫瘍・・・腫瘍(しゅよう)はあらゆる部位にできますが、炎症がある箇所は腫瘍ができやすいといわれていま
す。とくにアレルギー性皮膚炎に由来する外耳炎は慢性化しやすいので早めに対処することが大切です。
外耳炎は耳の洗浄と点耳薬で治療します
また、症状がやわらいでも油断は禁物です。春に発症して治療し、症状が出なくなっても、夏にまた再発することがあります。一度発症したら、1カ月おきくらいを目安に動物病院でチェックしてもらうとよいでしょう。
家で点耳するのが難しい場合は……
オスルニア
監修:関口麻衣子先生
獣医学博士、獣医師。日本獣医皮膚科学会員、アジア獣医皮膚科学会員。動物の皮膚と皮膚病の研究に携わる
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