犬が震えるときはさまざまな原因が考えられます。たとえば、「冬の散歩で外が寒い」「雷の音が怖い」など、生理的な震え以外に、病気が隠れているケースも。
そこで今回は、震えから考えられる犬の病気について、獣医師の野矢雅彦先生に教えていただきました。
消化器の病気
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胃腸炎や膵(すい)炎など痛みを伴う消化器の病気では、全身を震わせるケースが多いようです。胃腸炎は食べすぎやストレスなどさまざまな理由で起こります。
考えられる病気
関節の痛み
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関節に痛みがあると、痛みがある部位やその周囲だけ震えることがあります。震えている部位を触ると怒ったり、キャンと鳴いたりする場合もあるでしょう。
考えられる病気
・関節炎
・膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や股関節(こかんせつ)形成不全などに伴う関節炎 など
貧血
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貧血になると、全身に酸素を届ける役割を持つ赤血球が減り、酸素不足になります。すると細胞で十分な熱をつくれず、体が冷えて震えることも。歯肉が真っ白になるのも症状のひとつです。
考えられる病気
代謝性の病気
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副腎皮質機能亢進(ふくじんひしつきのうこうしん)症(クッキング症候群)は、ホルモンの異常で筋肉が落ちるため、踏ん張れずに震えることがあります。また、代謝が落ちて体温が上がりにくい甲状腺機能低下(こうじょうせんきのうていか)症では、夏に気温が高めの場所にいながら震えることも。
考えられる病気
・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
・甲状腺機能低下症
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・糖尿病
・低血糖 など
神経や脳の病気
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水頭症や脳炎、脳梗塞(のうこうそく)などの脳の病気や、椎間板(ついかんばん)ヘルニアや馬尾(ばび)症候群など神経の病気で麻痺が起こり、体に力が入らず震える場合も。このほか、椎間板ヘルニアの初期に痛みから震える犬もいます。
考えられる病気
・椎間板ヘルニア
・馬尾症候群
・脳炎
・てんかん
・水頭症
・脳腫瘍
・脳梗塞 など
ほかにはこんなケースも
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野矢先生の動物病院では、次のようなケースで震えの症状が見られたこともあるそうです。
尿管結石でオシッコが出ない
腎臓と膀胱をつなぐ尿管に石が詰まる尿管結石でオシッコが出なくなり、その痛みから震えるケース。
肛門嚢液がたまった
全身が震える症状で来院した犬に触診などの検査を行った結果、肛門嚢液がたまっていた痛みが原因だったことが判明。
緑内障で眼圧が上がった
緑内障で眼圧が上がると、眼球周辺の神経が圧迫されます。その痛みで目の周りがピクピク震える場合があります。
誤飲で腸に異物が詰まった
異物が腸にとどまっていたため、食後に消化物が通過しにくくなり、おなかがピクピク震えていた。
震えがきっかけとなって病気を発見できることもあるので、見逃さないようにしましょう。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2025年4月号『寒い、怖いだけじゃない!隠れた病気のサインを見きわめよう 犬のふるえ』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性がない場合もあります。