家族みんなで犬を飼っていると、愛犬への対応にばらつきが出てしまいがちです。そのなかでも気になるのが、おやつの与え方。愛犬のおねだりに対し家族の対応が異なると、愛犬が混乱してしまうかもしれません。
今回は、いぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が、正しいおやつの与え方やルールを解説します。
愛犬のおねだりへの家族の対応が違うけど、愛犬はどう感じる?
愛犬がおねだりをした際、家族のなかで対応が異なると愛犬は混乱し、ストレスになってしまうことも。犬は自分にとってよいことをより強く記憶するので、“おねだりをするとおやつをもらえる”と学習することが多くなります。
そのため、おねだりしてもおやつをもらえなかったときには、「なぜだろう?」と混乱したり、理不尽に感じたりしてしまうことがあるでしょう。
愛犬のおねだりにどう対応するのが正しい?
基本的には愛犬の要求に応えるのではなく、しつけの際のご褒美や散歩の後など、1日に与える量を決めて飼い主さん主体でおやつを与えるとよいでしょう。愛犬のおねだりに応えるようにおやつを与えてしまうと、要求がエスカレートしてしまったり、おやつの与えすぎにつながったりしてしまいます。
家族でルールを決める場合は?
もし家族でルールを決めてしっかり守れるのであれば、家族で与えることも大丈夫でしょう。量や与えるタイミングは統一するように気をつけてください。しかし統一するのが難しい場合は、無理をせずおやつ係を決めてしまったほうが、愛犬の混乱や与えすぎを防げます。
おやつをくれる人=好きな人? おやつをあげないと嫌われる?
前述したように、犬は自分にとって良い記憶を強く覚える傾向があります。その場合、「おやつをあげる人=好かれやすい、おやつをあげない人=嫌いな人」となってしまうのか、と少し不安になってしまうかもしれませんね。
しかし、おやつ以外にもコミュニケーションをとる方法はいくらでもあるので大丈夫でしょう。
おやつ係=信頼に必ずしもつながるものではありません。日によって対応が違ったり、曖昧な態度を犬にとってしまったりするほうが、信頼関係が崩れてしまうので注意してください。
愛犬に好かれていない気がする その場合の対応は?
個体差はありますが、犬にも好きなタイプの人と嫌いなタイプの人がいます。無理に苦手な人と仲よくさせようとすると、犬にストレスがかかってしまうことも。
できれば、極端に嫌われている人がいる場合には、愛犬に好かれている人の行動を真似してみたり、声の高さなどを高めにしてみたりするなど、人の方から歩み寄ってあげるようにしてみましょう。
愛犬のおねだりに対して家族の対応が異なると、愛犬の混乱やストレスのもとになってしまいます。おやつを与える際のルールや係を決めて、与えすぎのないよう気をつけましょう。おやつ係でなくても、コミュニケーションを工夫すれば十分に信頼関係を築けるので、愛犬のストレスのない対応を心がけましょう。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
取材・文/宮田あゆみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。