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夏に気を付けたい犬の皮膚病とは? 放置すると厄介な皮膚トラブルも

夏の高温多湿な環境や紫外線は、皮膚に大きな負担をかけるため、夏は皮膚病や皮膚トラブルになる犬が増加します。愛犬が皮膚のかゆみなどに苦しまないためにも、皮膚病に関する正しい知識を身につけ、しっかりと健康管理することが大切です。

今回は、夏に気を付けたい犬の皮膚病などについて、獣医師の後藤慎史先生に詳しく教えていただきました。

フケやカサブタができる「カサカサ系」の皮膚病

マルチーズのメルちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
夏にとくに悪化しやすいカサカサ系の皮膚病は、以下のとおりです。

膿皮症(のうひしょう)

膿皮症の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
犬によく見られる皮膚病のひとつで、皮膚にもともといるブドウ球菌が繁殖し、炎症を引き起こします。高温多湿な環境で発症しやすく、夏はとくに注意が必要です。なお、一度発症すると治療に時間がかかり、長期化することも。

皮膚がベタつく「ベタベタ系」の皮膚病

柴犬のとのくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
下記のようなベタベタ系の皮膚病にも、夏場は注意が必要でしょう。

脂漏症(しろうしょう)

脂漏症の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
皮膚の新陳代謝がうまくいかず、乾燥やベタつきがあらわれる病気です。発症するとマラセチアという真菌が増殖し、赤みやかゆみが出るほか、脱毛やフケが見られることも。

多汗症

多汗症の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
犬は人のように汗をかかないとされていますが、犬の全身にはアポクリン腺(汗腺)があり、通常より汗が多く出るのが多汗症です。汗の過剰分泌で皮膚が湿り、バリア機能の低下などで膿皮症といった病気に発展することも。

脂漏症と間違いやすいほか、遺伝的要因やストレス、環境条件で悪化するため、暑い季節は要注意。写真は、汗で毛が束になり地肌が見えている様子です。

かき壊しがちな「カイカイ系」の皮膚病

チワワのギン太 くん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
かゆみでかき壊しがちなカイカイ系の皮膚病も、夏に気を付けたい皮膚病のひとつです。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
花粉やカビ、ハウスダスト、食べ物などが原因でアレルギー反応を引き起こし、かゆみなどが見られます。毎年同じ時季に炎症が起こる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性も。

指間皮膚炎

指間皮膚炎の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
足先が汗などで蒸れて菌が繁殖したり、アスファルトの熱でやけどしたりすると、足の指の間が皮膚炎になることが。犬がなめると悪化し慢性化することもあります。

犬疥癬症(いぬかいせんしょう)

犬疥癬症の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
ヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる感染症で、強いかゆみが見られます。皮膚をかき壊すと脱毛が見られることも。ヒゼンダニは夏に活発になるため注意しましょう。

外耳炎

外耳炎の症例写真
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
高温多湿な環境で蒸れるほか、海などに出かけた際に海水や砂が入り、外耳炎を引き起こすことがあります。強いかゆみを伴うことから、耳をかいたり床にこすりつけたりする犬も。なお、アレルギーが原因で起こることもあります。
上記のほか、毛穴に寄生しているニキビダニが原因で起こる、ニキビダニ症にも注意が必要です。通常は無症状ですが、高温多湿な環境で皮膚のバリア機能が低下すると増殖し、炎症を起こして脱毛やかゆみなどが見られます。

皮膚トラブルにも要注意

ミニチュア・ダックスフンドのもなかちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
最後に、夏に気を付けたい皮膚トラブルをご紹介します。

肉球のやけど

夏場は日光で地面の温度が上昇し、アスファルトなら60℃を超えることもあるため、肉球のやけどに注意しましょう。肉球は治療がしにくいため、完治までに時間がかかるケースも。

バリカン荒れ

皮膚が弱い犬にサマーカットを行うと、バリカンの刺激で皮膚に負担がかかり、赤みや炎症が見られることがあります。もともと皮膚炎やアトピー性皮膚炎のある犬はとくに注意してください。

日焼け

強すぎる紫外線は日焼けのほか、皮膚炎や脱毛の原因になることがあります。サマーカットにしている犬のほか、鼻先やおなかなど毛の薄い部位に赤みが出ることも。
夏に気を付けたい皮膚病や皮膚トラブルは数多くあります。愛犬の皮膚に気になる症状が見られたときは、かかりつけ医に相談してみましょう。
お話を伺った先生/後藤慎史先生(北川犬猫病院院長 ヒフカフェ動物病院獣医師)
参考・写真/「いぬのきもち」2025年8月号『カイカイ、カサカサ、ベタベタが増えがちです! 夏の皮膚病&ケア』
文/長谷部サチ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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