愛犬が家具などを噛んでしまったときは、ついネガティブな言葉をかけがちですが、愛犬を興奮させるだけなので逆効果です。否定せず、してほしいことを犬が理解しやすいように「ひと言」で伝えると、困りごとが解決し、関係性もアップしますよ。
今回は、家庭犬しつけインストラクターの戸田美由紀先生に、「ひと言」で伝える噛み対策を教えていただきました。
「ひと言」で伝えるのがよい理由とは
「ひと言」だから伝わりやすい
犬は大好きな飼い主さんの言うことを理解したくて一生懸命聞いていますが、複雑な会話は理解できません。「ひと言」なら犬も理解しやすく、何をすべきかがすぐに伝わるようです。
人と同様、要点を押さえた短い言葉は犬にとってもわかりやすいもの。しつけにおける要点とは、愛犬に「何をしてほしいか」ということです。愛犬がとるべき行動を「ひと言」にまとめれば、グッと伝わりやすくなりますよ。
「ひと言」で関係性UPになる
「ダメ」と言って行動を抑制するより、してほしいことを「ひと言」で伝えるほうが犬は理解しやすいです。飼い主さんから愛犬への声かけもポジティブなものが多くなり、愛犬のやる気も上がって関係性向上にも役立ちます。
では、具体的にどのような「ひと言」が、犬の噛み対策に効果的なのでしょうか。遊び中のあま噛みと家具などを噛むときを例に、詳しくみていきましょう。
おもちゃ遊び中に手をあま噛みするときは「オワリ」
おもちゃで遊んでいるときに興奮しすぎて噛まれる場合は、噛まれた手をおもちゃごと背中にすばやく隠し、なるべく低めの声でクールに「オワリ」と伝えましょう。「噛んだら飼い主さんとの楽しい時間が終わる」と犬に伝わりやすくなって、噛み防止につながります。
ネガティブワードの例:「も~、イタイ!」「ヤメテよ!」
あま噛みされたあと、イタイと大げさに騒ぎながら遊び続けると、犬にとっては噛んだら音が出るおもちゃと同じ反応に見えることも。おもしろがって余計に噛みグセを悪化させてしまうでしょう。
家具などを噛むときは「アッアッ!」
愛犬の気をひくのがコツです。愛犬の目は見ずに、家具を噛んでいることには気づいていないフリをしながら「アッアッ!」と意味のない声を出し、愛犬の気をひいて噛みを中断させましょう。愛犬の意識が家具以外に移ったタイミングを見計らい、可能であれば家具を遠ざけておくと万全ですよ。
ネガティブワードの例:「ダメだってば!」「キャ~ッ!」
犬が家具などを噛む理由の多くは“暇つぶし”です。そんなときに飼い主さんが大げさに反応すると、「次は飼い主さんにバレないように噛もう」とゲーム感覚になる犬も。
ご紹介した「ひと言」を使って愛犬に言葉を理解してもらいながら、噛みグセを直していけるとよいですね。
お話を伺った先生/戸田美由紀先生(日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター DOG IN TOTAL主宰)
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『いつものネガティブワードを言い換えるだけ! 伝わる! ひと言しつけ』
文/宮田あゆみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。