愛犬にとって安心して過ごせるはずのわが家ですが、じつは犬の事故は家の中で起こりやすいんです。家庭内で事故が起こりやすい場所と事故を防ぐための対策とは? ペットと暮らす住宅についてもくわしい岡田敏宏先生に聞きました。この記事では「リビング」で多いケースをご紹介します。
過ごす時間が長く、事故につながるモノが多い
多くの犬にとって、過ごす時間が長いリビング。リビングには、ソファやテレビ、テーブル、観葉植物、ゴミ箱、コード類などモノが多いですよね。犬が好奇心から興味をもってしまうことも。
【テレビ台などの隙間】電気コードが密集し、感電のキケンが
テレビ台の裏側はコード類が密集する場所でもあります。「テレビ台の隙間に入ってオシッコをした犬がいました。事故には至りませんでしたが、感電やショートの危険もあります」(岡田先生)。
イラスト/徳丸ゆう
対策:柵をつけて入らせない
物理的に入らせないのがいちばんです。隙間に入るのが好きな犬もいますから、入られたくない隙間には柵を立てて入らせないようにしておきましょう。
【フローリング】関節や骨への負荷がかかる
一般的なフローリングや大理石などの床は滑りやすく、歩いたり走ったりするときに足が踏ん張れずに横に流れ、足腰の関節に負荷がかかります。膝蓋骨脱臼がある場合、悪化させる要因にもなります。
対策1:滑りにくい加工がされた敷物を敷く
手軽な対策ですが、土や葉の上のようなやわらかい場所にオシッコをする習性から、敷物の上でのそそうが多いので注意。また、「タイルカーペットの角を噛んで誤飲することもあるので、何でも噛む犬には不向きです」(岡田先生)。
対策2:滑り止めワックスでコーティングする
「滑らなければ、フローリングは犬が歩きやすい床材なので、滑り止めワックスを塗るのがおすすめ」(岡田先生)。犬がなめても問題のない、ペット用滑り止めフロアワックスを選んで。
【ソファ】落ちて骨折、膝蓋骨脱臼の悪化も
ソファの座面や背もたれの上から飛び降りた際、着地がうまくいかず前足を骨折する事故が多いです。ソファが窓際にあり、ひじかけや背もたれに上って外を眺めているうちに誤って床に落下することも。
対策1:ステップをつける
座面が愛犬の体高(立っている状態で地面から肩までの高さ)より高いソファには、飛び乗りや飛び降りはさせないで。階段状のステップをつけて上り下りさせましょう。
イラスト/徳丸ゆう
対策2:窓際は避けて壁にぴったりつけて設置する
ソファに上がると外が見えるなど、犬が上りたくなる設置場所はNG。背面を壁につけて設置すると床への落下の危険を回避できます。ひじかけや背もたれがないソファがベター。
【電気コード】噛んで感電して口の中を大やけど
「こたつのコンセントを噛んで感電し、口の中を大やけどした犬がいました」と岡田先生。家の中をうろうろしながら、暇つぶしに噛んでしまう犬もいるようです。
イラスト/徳丸ゆう
対策:電気コードを専用カバーでおおう
万が一噛んでも感電しないよう、専用のカバーでおおうのもひとつの手。また、暇つぶしでコードを噛まないように、知育おもちゃで遊ばせる、運動時間を増やしてストレスを発散させるなどの工夫も必要です。
リビングで起こりやすい事故とその対策をご紹介しました。愛犬が過ごす時間が長いからこそ、事故防止対策を万全にしたいですね。
お話を伺った先生/しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表。ペット共生住宅管理士 岡田敏宏先生
参考/「いぬのきもち」2026年6月号『わが家を"事故物件"にしたくない!』
イラスト/徳丸ゆう
文/伊藤亜希子