人の基準で「愛犬の幸せ」を考えていませんか?人にとっての幸せが犬の幸せとは限りません。今回は、犬のストレスや負担になり得る「人基準のお世話」について解説します。犬の意外なストレスサインもご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
「犬としての充分な刺激」与えていますか?
物質的な豊かさや快適さなど、飼い主さんの「人」としての価値観をそのまま愛犬にあてはめてしまうことはありませんか?実は、それに振り回される犬は「犬としての充分な刺激」を受けられず、ストレスになったり、健康に悪影響が出たりするケースがあります。
それでは、具体的にどのようなことが挙げられるのでしょうか。まずは飼い主さんがついついやってしまいがちな「人基準のお世話」について見ていきましょう。
犬のストレスや負担になる?「人基準のお世話」とは
整った寝床
犬は巣穴を掘って暮らしていた野生時代の名残から、いつでも隠れられるように寝床をぐちゃぐちゃにする習慣があります。そのため、人の基準で寝床をきれいに整えてしまうと、犬にとって過ごしにくい環境となり、ストレスを感じてしまう場合があります。
かわいい服
愛犬にかわいい服を着させることは、飼い主さんにとって楽しいことかもしれませんが、犬によって、デザインによっては負担になる場合もあります。犬におしゃれ気分は一切なく、習慣的に服を着ることを受け入れているだけで、実際のところ喜んでいるとはかぎりません。特にファッション性重視で機能性のない服は、犬に多大な負担をかける場合もあるので注意しましょう。
ゴージャスなゴハン
犬は一度「ぜいたくな食事」を知ってしまうと、いつものフードに戻れなくなることがあります。この場合、入院などの非常時に苦労し、結果として犬に負担やストレスを与えることになってしまいます。
ぜいたくな食事を与えなくても、栄養バランスの整ったシンプルな「総合栄養食」のフードで、充分間に合うのです。
快適な場所での散歩
屋内などの人工的な道での散歩は清潔で安全な半面、刺激も少ないため、犬にとっては不完全燃焼で終わってしまうことがあります。「散歩は清潔な屋内の方がいい」というのは飼い主さんの価値観にすぎません。犬は本来、ニオイをかいだり、土の感触を足で確かめたりしながら歩くのが好きな動物だということを理解しましょう。
こんな勘違いにも要注意!犬の意外なストレスサインとは
飼い主さんがよかれと思ってやっていることも、犬にとってはストレスになってしまう恐れがあることがわかりました。ストレスを与えないように接することが何より大切ですが、愛犬のストレスサインに飼い主さんが気づいてあげることも重要です。ではここで、飼い主さんが勘違いしやすい犬のストレスサインをご紹介します。
あくびをする
犬は人と同じように眠い時もあくびをしますが、ストレスや退屈などが原因であくびをすることも多くあります。
しっぽを振る
うれしい時や楽しい時の感情表現とされるこのしぐさ。実は、怒りや恐怖心などのストレスを感じている時にもしっぽを振ることがあります。しっぽを振ると同時に、毛が逆立っている場合は要注意です。
ブルブルッとする
犬は緊張や不安などのストレスを感じた際、自分を落ち着かせるために「ブルブルッ」と体を揺らしてリセットさせようとすることがあります。
今回は、犬のストレスの原因になる「人基準のお世話」と、意外なストレスのサインについてご紹介しました。愛犬の幸せは、犬の立場になって考えることが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」2015年11月号『その気持ち、しっかり愛犬に届けるために―あらためて考えてみよう どう違う?犬の幸せ人の幸せ』(監修:ぬのかわ犬猫病院・中田分院 副院長 阪井陽子先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。