最高に愛おしい大切な愛犬は、家族の一員といえる存在。ですがお別れの日はいつか必ず来てしまいます。頭ではわかっていても実際にペットを失うと立ち直れず、何もする気が起きないという方も多いのではないでしょうか。今回はそんなペットロスについて、症状や原因、乗り越え方を中心に解説していきます。
ペットロスとは何か。その症状について
「ペットロス」とは、大切なペットを失った飼い主の喪失感、悲しみのことを指します。愛するペットを失ったのだから、ロスになるのは当然のこととも言えます。ですが、それが長引き、なかなか回復できないケースも少なくありません。あまりに深刻な状態になると、飼い主さんの健康や日常生活に支障をきたすことも。
具体的な症状としては、疲労感や無気力、めまい、不眠、食欲不振、涙が止まらない、などが挙げられます。深刻になってくれば幻覚や幻聴、胃潰瘍などの症状が出ることもあり、健康を害するおそれがあります。
つらいペットロスの原因は?
深刻なペットロスの原因には、ペットとどのように関わっていたかや周りの環境など、さまざまな要素が関係しています。
① 生きがいの喪失
単頭飼いしていた方や愛犬と触れ合っている時間が長かった方は、ペットがいなくなると生きがいを失ったように感じられることも。そのショックから喪失感が大きくなる傾向にあるようです。
② 満たされない環境
「犬が死んだくらいで」と言われるなど周囲の人に理解してもらえず、つらさを共有できない環境も重症化の原因となります。
③ 過去の経験
以前にもつらいお別れを経験している方は、それがフラッシュバックし不安が増してしまうといったことも。
ペットロスを乗り越えるにはどうすればいい?
つらい気持ちを乗り越えるためには、悲しい気持ちに無理にフタをしないこと。悲しみを認め、愛犬との幸せな時間をあえて振り返るなどの方法も有効な場合があります。
① とことん泣き尽くしてみる
懐かしの写真や思い出のムービーを見るなど、愛犬を思い出してどっぷりと悲しみに浸ってみてください。たくさん涙を流せば、心が軽くなってスッキリできることも。
② 気持ちを言葉や声で表現する
愛犬への感謝の気持ちを改めて確認し、表現することはとても大切。手紙を書いて読んでみるのも、SNSで語りかけるようにつぶやいてみるのもおすすめです。愛犬の写真に、生前と同じように話しかけてみるのもいいですね。
③ 供養で達成感を得る
「愛犬のために何かができた」と思うことで、喪失感がやわらぐケースもあります。セレモニーをする、冥福を祈る行事に参加するなどにより、「最後に何かしてあげられた」と思えることもあるでしょう。
④ 新たな犬を迎える
思い切って新しい犬を飼い始めることがペットロスを癒すことがあります。亡き愛犬を忘れるのではなく「今までありがとう」と感謝し、次の子を一生懸命育てていくことで、いつの間にか立ち直れているかもしれません。
ペットロスはつらいものですが、それは愛犬のことを真摯に愛せた証でもあります。しかしあまりにも長引いたり深刻な状態になってしまうのは、お別れした愛犬も望んでいないはず。自分の中の悲しみと向き合い、ゆっくりと少しずつでいいので乗り越えていきましょう。
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『後悔したくないから……!介護から葬式まで――最後まで「愛する」ということ。』 (監修:ヤマザキ動物看護大学 准教授 ヒトと動物の関係学会理事 専門社会調査士 新島典子先生)
文/松本マユ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。