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実はそのしぐさ、ストレスサイン? ストレスに伴う犬の病気を解説
犬はストレスを感じていても、それを飼い主さんに言葉で伝えることはできません。愛犬に幸せに生きてもらうためには、犬が抱えがちなストレスを飼い主さんが回避してあげることが大切です。犬のストレスサインとストレスによって起こる病気を知って、互いに暮らしやすい生活を送りましょう。
犬のストレスサインとは?

愛犬がストレスを抱えていないか知るためには、細かいしぐさを観察してみましょう。次のような様子が見られた場合は、ストレスを感じているかもしれません。
軽いストレスを感じているとき
愛犬が不安や緊張を感じているときは、次のようなしぐさをすることがあります。
- しきりに鼻をなめる
- 目をそらす
- 呼吸が速くなる
- 動作の途中で凍りつく
強いストレスを感じているとき
強いストレスを感じると、限界をこえて攻撃的になるなど問題行動につながることがあります。なかなか改善しなければ、しつけで直す必要も。
- うなる
- 吠える
- 噛む
- その場から逃げ出す
かなり強いストレスを感じているとき
重度のストレスは、犬の心も体も壊してしまうおそれがあります。次の様子が現れた場合は病院に連れていき、獣医師に相談した方がよいでしょう。
- 体をなめこわす
- 脱毛が見られる
- しっぽを噛む
- 血尿が出る
犬の年代別・ストレスでなる病気を知る!

では次に、ストレスが原因となる犬の病気について、注意したい年代別にご紹介します。
子犬期(0~1才ごろ)
・胃炎
「新しい環境に慣れない」「力いっぱいなでられる」などのストレスで、自律神経が乱れていると、胃炎になるおそれが。嘔吐などの症状が見られたら、胃炎を疑ってみましょう。
・腸炎
腸炎は腸細菌のバランスが乱れることで引き起こされます。主な症状は下痢や血便、そそうが増えるなどが挙げられます。
・常同症
常同症とは、不安定な精神状態が続くことでかかる心の病気です。自分の尻尾を追いかける、足をなめ続けるなどの行動はこの病気のサインかもしれません。長時間の留守番やスキンシップ不足が原因となることも。
成犬期(2~6才ごろ)
・脱毛
ストレスによって、体の一部を執拗になめ続けると、皮膚が荒れて脱毛につながることも。スキンシップ不足などのストレスが原因かもしれません。
・不安症
不安症は、過去に経験した苦手なものや怖いものがトラウマになってしまった状態。不安症になると犬は過剰に吠える、パニックになって物を壊すなどの問題行動を起こしてしまいます。
・肥満症
ストレスがたまることで食欲が増し、肥満になるケースもあります。常に食べ物をほしがるなど、異常な食欲があるときは注意してください。
シニア期(7才ごろ~)
・皮膚炎
長時間の留守番が続くなどのストレスによって、体をなめたりかき続けたりすると、皮膚炎を起こしてしまうおそれがあります。
・無気力症
無気力症とは、強いストレスを感じることで何に対しても気力がなくなる病気のことです。感情を表さない、あまり動かないなどの症状が見られます。
このほかにも、シニア期でストレスを感じると、持病が悪化してしまうおそれもあるので注意しましょう。
ストレス解消には運動、ふれあいが大事

ストレスが原因となりうる病気を予防するためには、やはりストレスをためないことが肝心です。そのためには、「運動」と「ふれあい」の時間を大切にしてあげましょう。犬は体を存分に動かすことでストレスを解消したり、飼い主さんとふれあうことで不安や緊張、恐怖を和らげたりすることができます。
愛犬の健康のためにも、日々のお散歩やふれあいタイムを充実させてあげてくださいね!
参考/「いぬのきもち」特別編集『ベテラン飼い主さんも意外と知らない 愛犬のストレス事典』(監修:ナカムラ・ドッグ・スクール主宰 中村太先生、若山動物病院院長 若山正之先生)
文/松本マユ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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