犬はさまざまなしぐさや行動で、そのときの気分や体調などを表現していますが、その中には、本能的に行っているものもあります。
そこで今回は、野生時代の名残から見せる犬のしぐさ・行動を4つご紹介します。
① 穴を掘って埋めようとする
犬が穴を掘って何かを埋めようとするのは、野生時代に、獲物を備蓄するために穴を掘っていた行動の名残だと考えられています。家庭で飼われるようになった今では、おやつを入れたゴム製のおもちゃや大きめのガムなど、時間をかけて食べられるものを備蓄する傾向があるようです。
② ぬいぐるみをくわえてブンブン振り回す
この行動は、野生時代にしていた、捕らえた獲物をしとめたり食いちぎったりするときの行動を疑似体験しているのでしょう。ぬいぐるみ以外にも、振り回すと音が鳴るおもちゃやロープがついたものなどを与えると、犬が楽しめるかもしれませんよ。
③ 散歩中、ミミズなどに体をこすりつける
これは、犬が自分の縄張りだと思っているところに、ニオイの強いものを見つけたときに行う行動です。体をこすりつけることで、自分がいた痕跡を残し、ほかのもののニオイを中和させて弱めようとしているのでしょう。
野生時代の“縄張り意識”を感じさせる、野性味あふれる犬の行動ですね。
④ ベッドをホリホリする
犬が自分のベッドをホリホリするのは、野生時代に土を掘って、巣穴を作っていた行動の名残です。ちなみに、犬は巣穴の中で寝ることによって雨や風をよけたり、外敵から身を隠したりしていたといわれ、暑いときは冷たい土の上で体温調節もしていたと考えられています。
本来は、寝床を作るための行動ですから、寝る前によく見られるでしょう。
飼い犬となった今でも、野生時代の気分を味わうことはストレス発散につながります。問題がある行動でなければ、気が済むまでやらせてあげるようにしましょう。ただし、エスカレートして興奮しすぎる場合は、ほかのもので気を引くなど、クールダウンさせてあげることが大切です。
このように、犬の行動には、犬本来が持つ習性が隠されていることがあります。犬の行動の意味や理由を理解してあげることはとても大切なことですね。
参考/「いぬのきもち」2015年12月号『子犬?仲間?それとも野生……? しぐさ、行動からひもとく! 今、愛犬は何気分?』(監修:哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。