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【獣医師解説】怒ってるだけじゃない! 犬が「ムキ顔」をする理由とは
今回は、『いぬのきもち獣医師相談室』の先生に、犬が「ムキ顔」をする理由についてお聞きしました。
犬が「ムキ顔」をする理由とは?
獣医師:
「犬はとても表情豊かな動物なので、日々の暮らしの中で、“嬉しそうな顔”や“悲しそうな顔”、“困ったような顔”など――さまざまな表情を見せてくれます。実は、犬には人と同じくらいたくさんの表情筋があり、感情を顔で表現することができると考えられていてるのですよ。『ムキ顔』は、そんな顔でする犬の感情表現のひとつといえるでしょう」
――ズバリ、ムキ顔をするときの犬の感情(気持ち)とは?
獣医師:
「ムキ顔の犬を見て、“怖い”と感じる人もいるでしょう。それはまさに、犬のムキ顔が『近づくな!触るな!』と威嚇しているときに見せる表情だから。しかし、犬が威嚇するのは、怒りを感じているときだけではありません。怯えや不安、緊張などさまざまな感情から、犬は威嚇することがあります」
――犬がどんな感情で威嚇しているのか、見極める方法はありますか?
獣医師:
「ムキ顔をしながら、耳が前に傾いてしっぽが上がり、毛が逆立っているときは、怒っているケースが多いでしょう。一方、ムキ顔をしていても、耳が後ろに倒れて尻尾を下げ、体を低くしていたら緊張や不安を感じている可能性が……。また、尻尾をお腹の下に巻き込んでいたら怯えていると考えられます」
怒り以外に犬が「ムキ顔」をすることがあった!
獣医師:
「この場合は、何かのタイミングで犬が『ムキ顔』になったときに、飼い主さんが怖がらず、面白がったり、喜んだりしたのかもしれませんね」
――飼い主さんのいい反応を覚えて、「ムキ顔」をするようになったということでしょうか?
獣医師:
「はい。犬は人と一緒に暮らしていく中で、『こうすれば“イイコト”がある』という体験を覚えると、その行動を繰り返すようになります。これは、顔や体を使った感情表現を覚える際にも当てはまります。つまり、ほめられて『ムキ顔』をする犬にとって、『ムキ顔』は“嬉しさや楽しさを伝える手段”になっている可能性が考えられるでしょう」
――このような場合、犬はどのような様子で「ムキ顔」をするのでしょうか?
獣医師:
「喜んでいるときなどに『ムキ顔』をしている場合は、威嚇のときとは違い、耳や尻尾、体はリラックスしているはずですよ」
――威嚇のときとは明らかに違った様子で、「ムキ顔」をするのですね!
犬が「ムキ顔」をしたときの注意点や対処法とは?
獣医師:
「威嚇のために犬が『ムキ顔』をしているときは、近づいたり、触ったりするとケガをするおそれがあります。この場合は、犬が『ムキ顔』をやめるまで見守ってあげましょう。また、さまざまな理由が考えられる『ムキ顔』ですが、基本的には『近づくな』『嫌だ』『怖い』といった感情のサインです。叱ったり、大きな声で名前を呼んだりするなど、犬を追い詰めるような行動は控えた方がよいでしょう」
――ありがとうございました!
参照/Instagram
取材・文/hasebe
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