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【獣医療最前線】犬のアレルギーが発症前にわかる!愛犬は大丈夫?

生活環境の変化などに伴って、「現代病」と呼ばれる病気が犬にも見られるようになりました。その中から「隠れアレルギー」の早期発見法や予防法、なってしまったときの治療などを紹介します。

症状があらわれるまでの“グレーゾーン”が「隠れアレルギー」

今はアレルギーの症状が出ていない犬でも、体内ではアレルギーになる準備が進んでいることがあります。このような症状が出る前の準備期間を「隠れアレルギー」といいます。これまではアレルギーかそうでないかを判断することしかできませんでしたが、獣医学の発展で、グレーゾーンの段階からアレルギーを見つけられるようになりました。
早めに把握できれば、重篤な病気の予防にもつながります。

アレルゲン検査で早期発見!

愛犬の体がどんなアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に反応しやすいかを把握しておけば、アレルゲンを避けやすくなり、隠れアレルギーの早期発見や症状を抑えることにも役立ちます。
愛犬が隠れアレルギーをもっているかだけでなく、隠れアレルギーになりやすい体質かどうかも調べることができるので、早期発見のためになるべく早めに受けるといいでしょう。

なお、アレルギー検査の費用は動物病院によって金額が異なるためオープンにしていないことが多いですが、数万円程度はみておいたほうがよいです。何度も受けるものではないので、一生に一度と思って受けておいてもいいですね。

アレルゲンの予防は環境の改善から!

体が「異物」と認識したアレルゲンは細胞に記録され、その記憶をゼロに戻すことは非常に困難です。症状の予防には生活環境を整えることでアレルゲンを排除し、犬の体内に蓄積させないことが重要。
食物アレルギーでは、与えたことのない食べ物を与えるときは必ず少量から様子を見て与えましょう。子犬期はとくに食べ物に気をつけたいところです。
環境アレルギーでは、こまめな換気やエアコンの掃除などで室内のアレルゲンを犬に寄せ付けないようにしましょう。
体についてしまったアレルゲンにさらし続けないために、こまめなお手入れも重要です。

隠れアレルギーになってしまったらどう治療する?

アレルギーの治療方法はいくつかありますが、代表的な治療方法を2つ紹介します。

まず薬を与えることでかゆみを抑えたり炎症を鎮める投薬治療。
薬を使った治療には、アレルギー反応が出ないように予防・ブロックする方法「抗ヒスタミン薬」と、すでに出てしまったアレルギー反応を抑える「ステロイド薬」の2つの方法があります。この2つを組み合わせることによって、アレルギーの発症を制御していくことができると考えられています。
「隠れアレルギー」の場合は抗ヒスタミン薬を早めに投与することで発症を抑えられる可能性もあります。
アレルゲンになる食品をすべて排除し、安全なたんぱく質だけを与えるのが「食事療法」。
食物アレルギーをもっている犬は、原因となる食べ物を少しでも食べただけでも症状が出てしまうため、原因となるアレルゲンを体内に入れないようにするのが大原則です。
フードやおやつを選ぶときはしっかりラベルを見て、どんな食材が含まれているのか確認して、与えても大丈夫なものだけを選びましょう。

早期発見が健康につながります

アレルギーは、症状が出るまでの間は体内で静かに増えていくので、気づきにくいものです。
完全にアレルギーになってしまうと重篤な症状につながってしまうことも。食事や生活環境に細心の注意を払いつつ、隠れアレルギーの段階で早期発見できるといいですね。

参考/「いぬのきもち」2018年9月号『いま、気をつけたい犬の現代病 隠れアレルギー』(監修:動物アレルギー検査株式会社代表取締役社長/獣医師・獣医学博士 増田健一先生)
イラスト/山村真代
文/\(m.h)/
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