玄関で帰宅を待っていたり、微笑みながら見つめてきたりすることがあるけれど、犬は意識的にそんな行動をしているのでしょうか。答えは、YESです。今回は、賢くてコミュニケーション能力に長けた犬だからやってしまう"愛おしい行動"をご紹介します。
感覚が優れているので、飼い主さんを見つけられます
なぜ遠くにいる飼い主さんを見つけられるの?
周りにいる人が気付かないくらいに遠くにいる飼い主さんを見つけ、吠える場面に遭遇した経験がある人も多いのではないでしょうか。
犬は、嗅覚だけでなく聴覚と視野が人より優れています。嗅覚は人の100万~1億倍、聴覚は人の4倍もあり、視野は人が約200度なのに対して約250度あります。そのため、感覚器官をフル活用することで、犬は大好きな飼い主さんがどこにいても見つけられるのです。
帰宅すると玄関にいるのはどうして?
犬は遠くの足音やエンジン音のかすかな違いも聞き分ける能力があるといわれており、外が見えない家の中にいても、飼い主さんの帰宅する音に気付くことができます。1秒でも早く会いたいから、飼い主さんの帰宅を玄関で待ち伏せしてしまうのでしょう。
“イイこと”が起こる言葉に反応します
ときどき犬が言葉を理解していると感じるときはありませんか? それは偶然ではありません。
犬は言葉を覚えるのが得意な動物で、実験によると200語ほどの言葉を覚えられるともいわれています。とくに嬉しいことが起こる合図となる言葉はよく覚え、「おやつ」や「さんぽ」などの言葉を聞くと、ワクワクして敏感に反応してしまいます。
飼い主さんを見つめると、幸せを感じます
犬に見つめられていると感じるときはありませんか? 犬も飼い主さんと見つめ合うと、人と同じで“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンが出るそうです。飼い主さんだけでなく、犬だって飼い主さんを見つめていたいんです。
飼い主さんの元気がないときは気付いています
犬は飼い主さんのことを毎日観察しているので、些細な変化に気付きます。元気がないときに近寄ってきたら、飼い主さんの変化を察知して、「どうしたの?」と様子をうかがいにきているのかも知れません。
記憶力がいいから飼い主を忘れません
犬は何年たっても、「楽しい」「うれしい」「安心する」などのプラスの感情が伴った記憶を覚えていられます。そのため愛情をもってお世話してくれた飼い主さんのことは、たとえ離れて暮らすことになっても一生忘れることはありません。
犬はとても感覚が優れていて、賢い動物です。ただ賢いだけでなく、そこに飼い主さんへの愛情があるからこそ、日常のかわいいしぐさにつながっているのではないでしょうか。犬のしぐさに隠された意味がわかったら、飼い主さんの方からも愛情を伝えてあげてくださいね。
参考/「いぬのきもち」2018年12月号『犬がキュートなワケを生態からひも解く!犬ってこんなにカワイイ生きものなんです♡』(監修:哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。