犬と暮らす
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犬も気持ちいい「日向ぼっこ」、実は健康のためにも重要だった!
今回は、犬が日向ぼっこをする理由について、「いぬのきもち獣医師相談室」の先生にお話をうかがいました!
犬が日向ぼっこをするのはなぜ?
獣医師:
日向ぼっこをしながら目を細めて機嫌のよい表情をしたり、ゴロンと寝転がったりする犬もいるように、日向ぼっこは犬にとって気持ちのよいことなのでしょう。
犬が日向ぼっこをするときは、「太陽の光を浴びている」というよりは、「暖かい場所で安心してのんびり過ごしている」というイメージが合いますね。
――ちなみに、日向ぼっこを好む犬の特徴や犬種などはありますか?
獣医師:
日向ぼっこの好き嫌いに、犬種による差はないでしょう。気持ちのよい太陽の光が届き、安心してのんびり過ごせる場所が整っていれば、どんな犬でも日向ぼっこを好きになるのではないでしょうか。
日向ぼっこには“健康促進効果”があるって本当?
獣医師:
太陽の光を浴びると、“幸せホルモン”として知られている「セロトニン」という物質が分泌され、精神状態を安定させる効果や、体内時計を改善する効果が期待できます。
セロトニンの分泌が悪くなると情緒不安定になり、暴れたりムダ吠えしたりする犬もいるようなので、犬にとって非常に重要なホルモンのひとつといえるでしょう。
このようなことから、夜間徘徊や夜鳴きなどの症状が見られるシニア犬も、日向ぼっこを取り入れることで生活リズムが整い、気分転換にもなるため、症状が軽くなることがあるようです。
ほかにも、体を成長させ、肌や体内の調子を整える効果などがある「成長ホルモン」の分泌を促す効果が期待できます。さらに、太陽の光に含まれる紫外線には殺菌作用があるため、適度に紫外線を浴びることで、皮膚病の予防や悪化を防ぐ効果も期待できるかもしれませんね。
犬も紫外線がないと「ビタミンD」は生成されない?
獣医師:
実は犬は違います。犬は、人と比べて、紫外線により体内でビタミンDを作る量が少ないことが知られています。それでも、犬がビタミンDを体内に十分に維持するには、食事からの摂取だけに頼らずに陽の光を浴びることが大切でしょう。
なお、ビタミンDは犬にとっても、カルシウムの吸収や筋力の維持などの重要な役割をするため、それが不足すると骨折しやすくなったり、運動が苦手になったりしてしまうことがあります。
また、成長期にビタミンDが不足すると、関節や四肢が変形する「くる病」を発症することがあるので注意が必要です。
愛犬が日向ぼっこをしている際の注意点とは?
獣医師:
基本的に犬は、暑くなれば涼しい場所に移動し、寒さを感じたら暖かい場所に移動するので、自由に移動できる環境を作っておけば、長時間直射日光に当たって「熱中症」になったり、脱水症状を起こしたりすることは考えにくいです。
ただし、動きが鈍くなっているシニア犬や、ケージの中で動く範囲が限られている犬の場合はこの限りではありません。飼い主さんがしっかりと日差しの強さや温度、時間に注意してあげることが大切です。
――ありがとうございました!
天気のよい日は朝からお散歩して楽しい時間を過ごすのも◎
日向ぼっこはもちろん、天気のよい日は朝からお散歩をして、愛犬と一緒に楽しい時間を過ごすのもよいかもしれませんね!
参照/Instagram
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/ハセベサチコ
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