熱中症は屋外で発症するイメージが強いかもしれませんが、「熱中症の発生場所」に関する調査によると、散歩中やドッグランなどの屋外では48%、リビングなどの屋内では44%と、ほぼ同じ割合で屋内でも発生していることが明らかになりました。
では具体的に、どのような場所が犬にとって危険なのでしょうか――。
エアコンをつけていても危険!「日当たりのよい室内」
たとえエアコンを使っていたとしても、日光が差しこむ場所は温度が上がりやすく、熱中症のリスクも高まります。とくに窓辺などの日当たりのよい場所は注意が必要です。
夏場はカーテンを閉めて遮光対策を徹底しつつ、クレートやサークルなどを窓の近くに置かないようにしましょう。
芝生よりも15℃暑い?「日中のアスファルト」
屋外の場合、場所や日当たりによって熱中症の危険度が変わります。なかでも危険なのはアスファルト。アスファルトは熱を吸収するため、芝生に比べて温度が約15℃も上がりやすく、日が落ちた後でも温度が下がりにくいので注意しましょう。
なお、芝生の場合も日向と日陰では、およそ5℃以上も気温に違いが出るそうです。
熱中症の危険度はかなり高い!「エアコンなしの車内」
そのほか、車の中は暑くなりやすく、熱中症の危険度も高い場所です。とくにエアコンがついていない車内は非常に高温になり、たとえ窓を開けていたとしても数分で犬の命を奪いかねません。
また、エアコンがついている場合でも、窓の近くなど日が当たる場所は高温になりやすいので、車内では細心の注意を払いましょう。
暑さのピークを迎える時間帯は特に注意!
ちなみに、犬の体の高さ(体高)で時間別の気温を測定した結果、午前10時にはすでに40℃近くまで上がり、午後2時ごろには約45℃と暑さがピークになることが明らかになりました。
日が昇っている時間帯はとくに室内・車内の空調管理を徹底し、散歩などの外出も極力控えるようにしましょう。
愛犬の目線に立った温度調節を心がけて
全身が毛で覆われた犬は体温調節が苦手で、人よりも体高が低く、地面からの熱を受けやすくなります。そのため、人が暑いと感じない場所でも、犬は暑さを感じているケースも少なくありません。なんと、人と犬とではおよそ17℃も体感温度に差があるという実験結果も。
犬の目線に立った暑さ対策が、愛犬を熱中症の危険から守る第一歩ともいえるでしょう。
※本記事でご紹介している調査結果およびデータは、アニコム損害保険株式会社「熱中症注意報」「STOP熱中症新聞VOL.2」「STOP熱中症新聞VOL.4」を出典元としています。
参考/「いぬのきもち」2018年7月号『愛犬が暑い夏を元気に乗り越えるためのヒント満載!データ・図解でわかる熱中症』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。