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ペット飼育可能なはずのマンションが大型犬は不可! 仲介業者を訴えたら…

ホントにあった、犬にまつわる事件簿を紹介!

この連載では、過去に実際に起こった犬がらみのトラブルと、それに対して裁判所から下された判決について解説します。同じような事件が起こった場合の参考になります。

今回ご紹介するのは、東京地方裁判所で平成24年11月14日に判決が出た事例です。

※この記事の解説は、ひとつの例にすぎず、まったく同一の解決・判決を保証するものではありません。個々の事件の判決については裁判所に、解決策はその当事者に委ねられます。

お話してくれたのは……渋谷 寛先生

弁護士/渋谷総合法律事務所。ペット法学会事務局次長。動物の医療過誤訴訟を担当するなど、ペットと法律の問題に力を注ぐ。共著に『Q&A ペットのトラブル110番』(民事法研究会)など。

入居したマンションの飼育制限で退去。仲介業者を訴えた!

ペットの飼育が可能なマンションのはずが……

イラスト/macco
イラスト/macco
仲介業者からペットの飼育が可能なマンションを紹介されたAさんの両親は、大型犬の愛犬と暮らせるかどうかを尋ねたところ、担当者から「肩下の長さが50cm以下でなければならない」と伝えられました。

両親の愛犬はこの飼育制限のサイズを超えていましたが、内覧時に愛犬の写真を見せて「飼育可能かどうか?」と尋ね、はっきりと否定されなかったこともあり、Aさんはこの物件の賃貸契約を結ぶことに。ところが、入居後にやはり大型犬とは暮らせないとわかり、退去することになりました。

Aさん側は、契約時の重要事項説明で「ペット飼育可です」とだけの説明で、飼育制限に関する規約の説明はなく「大型犬と暮らせるものと思い契約をした」などと主張し、仲介手数料や引っ越し費用などの損害賠償を求めて、仲介業者を相手どり、裁判を起こしました。

飼育可能物件であっても、必ず管理規約の確認を

裁判では、Aさんの両親は、愛犬が飼育規約の制限を超えたサイズであると認識していること、また、Aさんが署名した重要事項の書類には、「ペット飼育可」の備考欄に「建物使用細則に基づく」と記載があったことから、仲介業者は飼育制限に関する管理規約の存在と内容を説明していたと認められ、Aさんの主張は棄却されました。

判決は……損害賠償の請求は棄却された

イラスト/macco
イラスト/macco
このケースでは「ペット飼育可」と説明されたから少々のサイズオーバーは大丈夫だろう、という飼い主さんの思い込みがあったと推測されます。ペットの飼育が可能なマンションであっても、飼育できるペットのサイズや頭数などの規定は、物件ごとに異なります。契約時には、仲介業者任せにせず、管理規約の内容を飼い主さん自身がきちんと確認しておくことで、安心して愛犬と暮らしたいものです。

参考/『いぬのきもち』2017年10月号「ホントにあった犬の事件簿」(構成・文/豊島由美)
イラスト/macco
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