犬の吠えや興奮をおさえて、事故防止にもなる!
「オイデ」とは、離れた場所にいても、犬が飼い主さんのひと言で駆けつけてくるコマンド。犬と暮らすうえでは欠かせないしつけのひとつですが、実はこれ、教えておくだけで、吠えなどの困りごと対策にも応用できるスゴイしつけでもあるんです! どんなシーンで使えるのか、いくつか例をご紹介します。
犬が吠えそうなときや、興奮しそうなとき
窓の外から雷が聞こえたり、ベランダにカラスや鳥などが飛んできたなど、犬が吠えたり興奮しそうになったら、すかさずオイデを発動。飼い主さんの足元まで行くことが習慣になっていれば、犬は吠えるのをやめてやってきます。
犬が手の届かない距離にいるとき
犬が少し離れた場所でベッドでくつろいでいて、お手入れのために犬を呼び出したいときは「オイデ」を発動。練習を重ねてオイデがしっかり身についていれば、たとえ飼い主さんの手が届かない距離にいたとしても、たちどころに飼い主さんのそばまでやってくるでしょう。
散歩中に友達犬と出会ったとき
散歩中に友達犬と出会い、犬同士が触れ合ったら「オイデ」と声をかけて愛犬を呼び戻しましょう。オイデという言葉が犬にとって楽しい時間の終わりの合図にならないために、オイデで呼び戻したあとにもう一度友達犬のもとに向かわせると、さらに効果的です。
ドッグランで呼び戻すとき
ドッグランは犬にとって刺激が強い場所なので、ここでのオイデは非常に高難度ですが、練習を重ねればできるようになります。ドッグランによっては、「オイデ」ができることが入場OKの条件になっている場合もあるので、ぜひともマスターしておいてほしいものです。
もしものときの事故防止に
散歩中、愛犬がバイクなどに向かって急に駆け出したらオイデで呼び戻せます。犬が何かに夢中になっている状況でのオイデはかなりの高難度ですが、いざというときの事故防止の練習に役立ちます。首輪が突然すっぽ抜けてしまったり、リードが急に故障してしまったときなどにも覚えておきたいしつけです。
4STEPでマスターしよう!オイデの教え方
ご紹介したように、「オイデ」はさまざまなシーンでマルチに使える便利なしつけです。ただし、どんな万能な指示しつけもまずは基礎が肝心!基本的な教え方をご紹介します。
1.フードを犬の鼻先に近づける
まずは利き手でフードを握りこみ(犬の好きなおやつを使ってもOK)、もう片方の手にはリードを持ちます。フードを握った手を伸ばして犬の鼻先に近づけたら、フードのニオイをかがせて犬を集中させましょう。
2.「オイデ」と言いながら腕を動かして足元まで犬を誘導
犬が集中したら、リードを握ったまま後ろへ少しずつ下がります。同時にフードを握った手を自分の体にくっつけていき、犬の体が飼い主さんの足に触れるぐらいに近づいたら、後ろに下がるのをやめると同時に右手を上にあげて犬を座らせます。
3.フードを与えてなでながらほめる
目の前に犬が座ったら、握りこんでいたフードを与えます。犬がオイデで来たあと、飼い主さんに触らわれることにも慣れさせるため、もう片方の手で首輪をつかみながら、首や胸のあたりをなでて「イイコ」としっかりほめましょう。
4.アイコンタクトをして「オッケー」で終わる
犬がフードを食べ終わったら「マッテ」と言いながらフードを握っていた手をあごの下まで持ち上げます。愛犬とアイコンタクトができたら「オッケー」と声をかけて。この1~4までの流れがスムーズにできるようになるまでは、繰り返し練習しましょう。
基本を復習して、毎日の生活に役立てよう!
いかがでしたか? これひとつ犬に教えておくだけで、さまざまなシーンで応用できるのが「オイデ」のすごいところです。基礎からしっかり教えておけば、もしものときにも慌てずにすみますので、ご紹介した4STEPを参考に、今日から練習してみてくださいね♪
参考/『いぬのきもち』2017年7月号「オイデの極め方」(監修:日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター 戸田美由紀先生)
撮影/佐藤正之
文/影山エマ