犬と暮らす
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犬の多頭飼いで「2頭同時」と「後でもう1頭」飼うのはどっちがいい?
実際、どちらのほうが犬にとっていいのか……今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました!
子犬を2頭同時に迎え入れても大丈夫?
「子犬の健康状態を1頭1頭見ることは簡単ではありません。元気や食欲、排尿・排便の状態、体重の変化など、1頭のお世話だけでも大変です。
さらにトイレのしつけ、甘噛みや食糞などがあればそれに応じたしつけ、病気になったときには通院、投薬なども必要になります。子犬を迎えた経験がない人は、とくに時期をずらして飼うほうがよいでしょうね。
また、同時に年齢を重ねるので、シニアになったときに同じ時期に闘病、介護が始まるかもしれません」
「可能であれば、1頭目を成犬まで育てあげてから、次のコを迎えることをおすすめします。先住犬が新入りのコを教育してくれて、飼い主さんと協力してお世話をしてくれることもあるからです」
同じ時期に子犬を2頭飼うメリットも
「子犬2頭を同時に迎える良さとしては、2頭で遊んでくれることもあるため、飼い主さんが遊び相手をする時間が少なくてすむことでしょう。また、飼い主さんでは教えることのできない、犬同士にしかわからない遊びや楽しさがあり、犬らしい生活ができる点はいいと思いますね」
後からもう1頭飼うときに気をつけたいことは?
ではその場合、具体的にどんなことに配慮したらよいのでしょうか? 下記で、多頭飼いを検討する際に飼い主さんがよく考えたいことについて解説します。
先住犬の性格を考慮する
たまに「新しいコを迎えれば問題が解決するかもしれない」と期待する飼い主さんもいますが、新しいコを迎えても解決することはありません。新しい犬が先住犬のよくない行動を真似してしまい、飼い主さんの苦しみが倍以上に増えて事態が悪化することも考えられます。
ほかにも、甘えん坊で飼い主さんへの依存心が強い犬の場合、愛情が分散することを嫌がりほかの犬との生活を望まないコもいます。
犬同士の相性が悪いと多大なストレスがかかり、我慢した生活を強いられることに。それは、どちらのコにとってもかわいそうなことになってしまいます。
犬同士の年齢が離れすぎている場合も難しいことが多い
逆に、新入り犬の若さが刺激になることもありますが、充分な見極めが必要でしょう。
多頭飼いをしたい理由を飼い主さん自身がよく考えること
次のコを迎えるのは、飼い主さんご自身の責任です。「先住犬のため」という理由では、望むような結果が得られなかったときに、犬も飼い主さんも幸せになれません。ご自身が新しいコを迎えて愛せる覚悟があるかどうかを自問自答してみてください。
多頭飼いを検討するときは、家族でよく話し合うこと
ごはん、お散歩、日々の健康チェック、フィラリア予防やノミ・ダニ予防、ワクチン、通院など、ひとりでは大変ですし、犬の小さな異変に気付ける余裕がなくなることもあります。
また、お世話する人が体調不良のとき、ほかの家族が犬のお世話をできないことも困りものです。協力できる大人が犬の頭数と同じ数、できればさらにプラス1名いると、ひとりあたりの負担も少なく、誰かがお世話をできない状況があっても安心です。
金銭面について
犬たちと10年以上生活する中で、ご自身が病気をしたり生活が変わる可能性もあります。そのようなときでも、犬を飼い続けるだけのお金については考えていますか?
とくに動物病院に入院、手術となったら数十万単位のお金が必要になります。多頭飼いで犬が同時に病気になることも想定しなくてはなりません。金銭的なことも考えてみましょう。
災害時について
そのときは、犬のフードなど必要品も持ち出すことになるので、ご自身も犬も安全に避難できるかどうかを考えてください。
多頭飼いは、先住犬の新しい一面を見られるチャンスでもあります。幸せに暮らしている家庭もたくさんあるので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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