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【獣医師監修】知っておきたいシニア犬の「床ずれ」ケア
シニア犬が寝たきりになって介護が必要になると「褥瘡(床ずれ)」ができることがあります。皮膚に赤みや腫れを感じたらすぐにケアをはじめましょう。犬の褥瘡の予防とケアについて相談室の獣医師が解説します。
褥瘡(床ずれ)は一度起こると治りにくい
犬の褥瘡は、人間と同じで、寝たきりや長時間同じ体勢で過ごす際に体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、皮膚の一部が赤くなる、ただれるといった炎症が起こることをいいます。
犬の褥瘡は骨が出ている部分で起こりやすく、頬や肩の関節、肩甲骨の突起、大腿骨のつけ根、かかとなどに多く起こります。褥瘡は一度できてしまうと治りにくいので予防が大切です。
圧迫を軽減して褥瘡を予防する
犬の褥瘡を防ぐためには、2~3時間おきにこまめに寝返りをさせて、頰や肩、腰、前足、後ろ足などの寝床と接する部分の圧迫をできるだけ減らすことがポイントです。
しかし、犬によっては体を右下や左下にするなど寝方の好き嫌いがあることが多く、寝返り後にすぐに自分の好きな体位に戻ってしまうことがあります。こういった場合は、エアークッションや低反発マット、クッションなどの犬用介護グッズを利用して、柔らかく圧迫が少ない寝床を作ってあげましょう。
また、寝たきりの犬の体や皮膚が、尿や便で汚れていると悪化しやすいので、皮膚を清潔に保って血流をよくするために体をマッサージしてあげることもよいでしょう。
褥瘡に気がついたら速やかに治療をはじめること
皮膚の赤みや炎症、腱や骨が出ているなどの症状に気がついたら動物病院で診察を受けましょう。傷の大きさや化膿の程度、壊死の状態、犬の体調などによって治療方法が変わってきます。
お家で褥瘡ケアをする際は、毛が傷の中に入り込んで汚染や感染の原因となることがあるため、バリカンで患部周辺の毛を広めに刈っておくとよいでしょう。
傷を洗う際は、ぬるま湯を使用して優しくスプレーする程度で十分です。傷が乾燥すると痛みを感じて悪化しやすくなるので、ラップや吸水シートを使って乾燥を防ぎます。傷を悪化させないためには寝返りなどの予防を続けることが大切です。
治りにくい褥瘡ができても、諦めずにケアをすることで状態を改善させることができます。まずは獣医師に相談しましょう。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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