犬と暮らす
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犬によって感じ方が違う!? 犬が触られると「嬉しい」「嫌な」体の部位とは
そこで今回は、犬が触られると嬉しい部位・嫌な部位について、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみることに。どうやら、犬によってもさまざま違いがあるのだそうです!
犬が触られると嬉しい部位はどこ?
「喜んだり、また嫌がったりするのは本能的な感覚なので、極端に違いがあるとまではいえません。ただ、触られて喜ぶ部位は、元々の体の構造上、犬自身では口が届きにくく細やかなケアが難しい部位であることが多い印象です」
「たとえば……
- 頭の上の方
- 耳の周辺
- 首回り
- 背中
「触ってもらって気持ちがいい場合は、犬は目を細めたり、呼吸が深くなったり、座る・寝そべるなどラクな体勢になったりします。
犬は基本的に、『信頼できる人にしか体を触らせない』という本能があるので、警戒心の薄い子犬のころから体を触られることに慣れさせておき、信頼関係を築いておくことが大切です」
犬が触られると嫌がる部位はどこ?
「たとえば、足先や口先、肛門周り、しっぽなどの体の先端部は感覚器が集まる部分なので、敏感で嫌がることが多いです。特にマズルは信頼できる人にしか触らせません」
「本能的な感覚が関わるので、犬によって極端な違いがあるとまではいえませんが、被毛のケアやお手入れなどの経験で差が出てくるかもしれません。
たとえば、長毛種の犬ではブラッシングや定期的なトリミングが必要ですし、短頭犬種では顔のしわの清拭、垂れ耳の犬では耳のケアなどが必要ですよね。
そうした特定の部位を触られる経験を繰り返すことで、その部位を触られることをさらに嫌いになることもあるでしょう。または、逆に心地よいと感じたり、ご褒美をもらったりする経験でよい印象を持つ可能性もあると思います」
犬の世代や性格の違いによって、触られたときの反応に差が出る?
「そうですね。ほかにも、子犬や老犬など世代の違いによって、触られたときの反応に大きな差が出る可能性があります。
子犬を含めて若く活動的な世代の犬は、喜びも嫌悪も素早くはっきりと表現する傾向があります。一方、年を重ねてゆったりと行動する世代になった犬の場合は、喜びも嫌悪も比較的穏やかに、控えめに表現する傾向がありますね」
「性格的には、甘えん坊なコは触られることを嬉しく感じる傾向があるため、触られる部位の好みはあまりはっきりしない可能性があります。どこを触ってもらっても嬉しい気持ちでいっぱいで、もっとたくさん触ってほしいところは自らアピールすることも珍しくありません。
それに対し、マイペースな犬の場合は、触られる部位の好み以前に触られるときの気分が大事なこともあります。そのため、機嫌がよければ普通に触れる部位でも、機嫌が悪ければまったく触らせてくれなくなることもあります」
「このように、触られると喜ぶ部位・嫌がる部位そのものは犬によって大きな差はないものの、その反応は犬種や世代、性格によってさまざまなのです。
そのことを心に留めながら、実際に触っているときの愛犬の様子を丁寧に観察しましょう。特に『嫌がってないかどうか』には十分配慮して、やさしく撫でることから始めてみてくださいね」
犬と触れ合うことのメリット
「元々、犬は群れで生活する動物です。力比べで互いの力量を図ったり、スキンシップで絆を深め合ったりしながら、群れの中の犬同士の関係性を築いていきます。人間と一緒に暮らす犬にとっても、それは同じです。
犬にとって飼い主さんは、同じ群れで過ごす仲間のような存在、もしくは親のように頼れる存在です。そのため、心身ともに健全な生活をするためにはスキンシップが欠かせません」
「そうですね。愛犬が安心できるような環境で、好むような力加減で好む部位にやさしく触れることは、愛犬に安心感や幸福感をもたらし、人間に対する信頼感を育みます。
また、飼い主さんにとっても、愛犬に触れることで幸福感を感じられるでしょう」
スキンシップは愛犬の体調の異変にも気づける!
「また、スキンシップをすることで愛犬の被毛の状態や体調、時には病気などに気づける場合もあるため、その点においても大きなメリットがあります。
犬が喜ぶ方法で触れ合う機会をたくさん持つことで、愛犬との楽しい生活がより充実したものになるでしょう」
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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