最近の研究によって、犬の長寿には「腸内環境を整える」ことが大切とわかってきました。腸内環境を整えることで、免疫力が維持され、健康に必要な栄養素がつくり出されるのです。日頃から犬の年齢や体質に合わせて、腸内環境をケアする習慣を身につけていきましょう!
犬の腸内にはどんな細菌類がいるの?
犬の腸内には、健康に良い影響を与える「善玉菌」、増えると健康に害を与える「悪玉菌」、どちらの働きもある「日和見菌」、大きく分けて3つの菌がすんでいます。犬の健康にとってこれら3つの菌のバランスが大切であり、とくに「善玉菌」が優位に働くような腸内環境に整えてあげることがよいとされています。
では、3つの菌のバランスを整え、腸内環境をよくするにはどうすればいいのでしょうか?
腸内環境をよくする食事を取り入れる
年齢に合ったフードを与える
カロリーや脂質の摂りすぎ、年齢に合わないフードなどは、「悪玉菌」が増える原因となるため注意が必要です。腸内環境を整えるには、犬の年齢に合った栄養バランスのフードを適量与えるようにしましょう。
手作りのフードを与えている場合には、一度かかりつけの獣医師にアドバイスをもらっておくと安心です。
善玉菌を増やす食品を摂取する
「善玉菌」は増えすぎても、健康に害を与えません。また、「善玉菌」を増やす食品を継続的に与えることで腸内環境は改善されるため、以下のような食品をいつものフードに少量加えたり、おやつとして与えたりしてみましょう。
乳酸菌を含む食品
ヨーグルトは消化もよく、手軽に与えることができます。無糖でプレーンのものを、1日小さじ2杯までを目安に与えてみましょう。また、納豆にも乳酸菌が多く含まれます。与えるなら消化をよくするため細かくつぶし、1日小さじ1杯までにしましょう。
オリゴ糖を含む食品
「善玉菌」のエサとなるオリゴ糖が含まれる食品は、腸内環境のためにもぜひ取り入れたいもの。
例えば、バナナにはたくさんのオリゴ糖と、腸の運動を助けるカリウムが含まれています。1日20g程度を目安に皮をむいて与えましょう。
また、さつまいもにもオリゴ糖や食物繊維が多く含まれます。与えるときは加熱し、細かく刻んであげましょう。なお、さつまいもは糖質が多いため1日5gまでとし、与えすぎないよう注意が必要です。
※アレルギーや持病のある犬は、獣医師に与えてもよい食品を相談しましょう。
※健康な犬の場合でも、様子を見ながら少量を1種類ずつ与えましょう。
※1日に与えてよい量は「体重5kgの健康な成犬」を想定した目安です。小型犬は量を減らしてください。
腸内環境を整える生活習慣を心がける
食べ物に気をつけるだけではなく、腸内環境を整えるには運動することも重要です。
特に足腰が弱ると、踏ん張ったりいきんだりすることが難しくなり、便秘を引き起こして腸内環境を悪化させてしまいます。散歩や遊びなどをうまく取り入れて、お腹まわりと足腰の筋力を強く保つようにしましょう。
そのほか、ストレスで胃腸の働きを鈍らせることも、犬の腸内環境を悪化させる一因です。食事や運動に気をつけながら、愛犬のストレスがたまらないよう接してあげることが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」2017年11月号『今からすぐできる!腸内環境 筋トレ 脳トレが健康寿命を延ばす秘訣だった!』(監修:しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生、岐阜大学名誉教授 大阪ベビイ動物看護専門学校顧問 深田恒夫先生、キュティア老犬クリニック獣医師 横山恵理先生)
文/nishiyuka
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。