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犬の寿命を縮めてしまう?飼い主のNG行動4つ 獣医師が見た心配な犬の実例も
多くの飼い主さんが愛犬に「長生きしてもらいたい」と願っていると思いますが、「飼い方」が愛犬の寿命に影響することがあるのをご存知でしょうか?
この記事では、犬の寿命を縮める恐れのある飼い主さんのNG行動4つについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
この記事では、犬の寿命を縮める恐れのある飼い主さんのNG行動4つについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬の寿命を縮めるかも…飼い主さんのNG行動4つ
ーー犬の寿命に影響を及ぼす可能性のある飼い主さんの行動には、どのようなものがありますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「飼い主さんの考え方や日頃からの習慣が犬の寿命に影響を及ぼすものとして、ここではNG行動4つを取り上げます」
「飼い主さんの考え方や日頃からの習慣が犬の寿命に影響を及ぼすものとして、ここではNG行動4つを取り上げます」
①「犬らしい行動」をとらせていない
獣医師:
「犬が犬らしくいられるように生活をさせてあげないと、心身に影響が出てくることがあります。日頃から下記のようなことをしていないか、確認してみてください。
「犬が犬らしくいられるように生活をさせてあげないと、心身に影響が出てくることがあります。日頃から下記のようなことをしていないか、確認してみてください。
- 充分な散歩や運動をさせていない
- 過度なストレスを与えている
- リラックスさせない
運動不足やストレスは、犬の健康にも影響を及ぼします」
②適正な食事を与えていない
獣医師:
「犬の食事を管理することは、飼い主さんの大切な役目です。愛犬の健康のためにも、下記のことをしていないか、確認してみてください。
「犬の食事を管理することは、飼い主さんの大切な役目です。愛犬の健康のためにも、下記のことをしていないか、確認してみてください。
- おやつしか与えない
- 食べてはいけないものを与える
- 適正量を与えない
人間の食べ物を与えたり、おねだりに応えすぎてたくさん食べさせてしまったり、運動不足だったりが、肥満の原因になります。そして肥満が引き金となり、さまざまな病気にかかってしまうことも。
たとえば、すい臓を溶かしてしまう『すい炎』や、体重の負荷で炎症を起こす『関節炎』、呼吸が苦しくなる『呼吸器疾患』などになる恐れがあります」
たとえば、すい臓を溶かしてしまう『すい炎』や、体重の負荷で炎症を起こす『関節炎』、呼吸が苦しくなる『呼吸器疾患』などになる恐れがあります」
③病気になっても治療を受けさせない
獣医師:
「愛犬になにか異変が見られても、飼い主さんの判断で様子を見たりして治療を受けさせないような人もいるようです。
もし愛犬が体調が悪そうだったり、なにか気になる症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう」
「愛犬になにか異変が見られても、飼い主さんの判断で様子を見たりして治療を受けさせないような人もいるようです。
もし愛犬が体調が悪そうだったり、なにか気になる症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう」
④飼い主さんの考えや生活習慣などが犬に悪影響を与えている
獣医師:
「犬を飼うにあたって、犬のことをまったく学ばないで飼ってしまうと、あとで『こんなはずでは…』といったことになりかねません。
飼い主さんの生活習慣が愛犬に影響を及ぼす場合として、まず喫煙が挙げられます。犬の受動喫煙では、『肺がん』『鼻腔がん』『副鼻腔がん』などの発生率の増加が報告されています。
また、部屋を掃除しないで不潔な環境で犬を飼育することも、心身に影響を与えてしまいます」
「犬を飼うにあたって、犬のことをまったく学ばないで飼ってしまうと、あとで『こんなはずでは…』といったことになりかねません。
飼い主さんの生活習慣が愛犬に影響を及ぼす場合として、まず喫煙が挙げられます。犬の受動喫煙では、『肺がん』『鼻腔がん』『副鼻腔がん』などの発生率の増加が報告されています。
また、部屋を掃除しないで不潔な環境で犬を飼育することも、心身に影響を与えてしまいます」
ーー食べ物や喫煙など、飼い主さんが無意識のうちに影響を与えてしまっている場合も多そうですね…。
獣医師が実際に見て心配になった犬の飼い主さんの実例
ーー「犬のこの状態は心配だな」と思った飼い主さんの行動などを実際に見たことがありますか?
獣医師:
「全身が毛玉やフケまみれの犬を病院につれてきた飼い主さんがいたのですが、指摘してもあまり気にしていない様子でした。ほかには、体毛からタバコのニオイが漂っていた犬を見たことがあり、これは飼い主さんの喫煙が原因だと思います」
「全身が毛玉やフケまみれの犬を病院につれてきた飼い主さんがいたのですが、指摘してもあまり気にしていない様子でした。ほかには、体毛からタバコのニオイが漂っていた犬を見たことがあり、これは飼い主さんの喫煙が原因だと思います」
ーー毛玉やフケまみれだと皮膚病が心配されますし、タバコの犬への影響も大きいですよね…。
獣医師:
「タバコに関してですが、『三次喫煙』という言葉をご存知でしょうか? これはタバコの煙の成分が衣服や壁、カーテン、絨毯などに付着して、その残留物が再び直接・間接的に被害をもたらすというものです。
たとえ飼い主さんが犬とは別の場所でタバコを吸っていたとしても、犬は有害物質が付着した衣服で抱っこされたり、物質が付着した部分を舐めたりすることで、有害物質を口にしてしまうのです」
「タバコに関してですが、『三次喫煙』という言葉をご存知でしょうか? これはタバコの煙の成分が衣服や壁、カーテン、絨毯などに付着して、その残留物が再び直接・間接的に被害をもたらすというものです。
たとえ飼い主さんが犬とは別の場所でタバコを吸っていたとしても、犬は有害物質が付着した衣服で抱っこされたり、物質が付着した部分を舐めたりすることで、有害物質を口にしてしまうのです」
ーー「犬の近くで吸わなければいいのではないか」と思っている飼い主さんもいそうですが、そうではないのですね。
獣医師:
「受動喫煙や三次喫煙まで考えると、たとえ空間分煙をしたり、空気清浄機などを設置したとしても、犬へのタバコの害は決して無視できるものではないのです。タバコを吸う習慣のある飼い主さんは、ぜひこのことを知ってほしいと思います」
「受動喫煙や三次喫煙まで考えると、たとえ空間分煙をしたり、空気清浄機などを設置したとしても、犬へのタバコの害は決して無視できるものではないのです。タバコを吸う習慣のある飼い主さんは、ぜひこのことを知ってほしいと思います」
ーー愛犬の寿命を縮めてしまうような飼い方をしていないかどうか…飼い主さんは今一度見直してみてほしいですね。
▼犬の受動喫煙のリスクについてのくわしい解説はこちら
犬が健康で長生きできるように
ーー犬が健康で長生きできるように、飼い主さんが心がけたいことはなんでしょうか?
獣医師:
「まずは、先述の『犬の寿命を縮めてしまう恐れのある飼い主さんの行動4つ』に当てはまるものがないかどうかを確認し、改善できるか考えてみてください。
そして、飼い主さんは愛犬にルールを教えながら、ストレスの少ない環境で犬としての基本的な生活を送れるようにしてあげましょう。受動喫煙・三次喫煙は犬には悪影響なので、清潔な環境下で生活させてあげることも大切です。
また、定期的に健康診断を受けさせて、愛犬の体調管理をしてあげるようにしましょう」
「まずは、先述の『犬の寿命を縮めてしまう恐れのある飼い主さんの行動4つ』に当てはまるものがないかどうかを確認し、改善できるか考えてみてください。
そして、飼い主さんは愛犬にルールを教えながら、ストレスの少ない環境で犬としての基本的な生活を送れるようにしてあげましょう。受動喫煙・三次喫煙は犬には悪影響なので、清潔な環境下で生活させてあげることも大切です。
また、定期的に健康診断を受けさせて、愛犬の体調管理をしてあげるようにしましょう」
定期検診を受ける頻度の目安について
ーー定期検診について、どれくらいの頻度で受けさせたらいいですか?
獣医師:
「定期検診を受ける目安は、6才頃までは年1回、6才を超えてからは半年に1回、また10才を超えてからは3〜4か月に1回を目安にするといいと思います。
年齢による頻度は獣医師によって多少異なることもありますので、かかりつけ医に相談してみるのもいいかもしれません。また、持病がある場合などもかかりつけ医に相談の上、頻度を決めましょう。
犬は1年に3〜4才ほど年を取ります。そのため、シニア期に近くなるにつれ定期検診を受ける間隔は短くなります」
「定期検診を受ける目安は、6才頃までは年1回、6才を超えてからは半年に1回、また10才を超えてからは3〜4か月に1回を目安にするといいと思います。
年齢による頻度は獣医師によって多少異なることもありますので、かかりつけ医に相談してみるのもいいかもしれません。また、持病がある場合などもかかりつけ医に相談の上、頻度を決めましょう。
犬は1年に3〜4才ほど年を取ります。そのため、シニア期に近くなるにつれ定期検診を受ける間隔は短くなります」
ーーとくに気になる症状がなくても、定期検診を受けておくことで見つかる病気もありますよね。
獣医師:
「そうですね。いかなる病気も早期発見が大切です。早めに対策をとることにより、愛犬の負担が減ることはもちろん、以下のようなメリットがあります。
「そうですね。いかなる病気も早期発見が大切です。早めに対策をとることにより、愛犬の負担が減ることはもちろん、以下のようなメリットがあります。
- 悪化を食い止め完治の確率を上げる
- 治療期間が短く済み、医療費が抑えられる
より充実した愛犬との日々を考えて、定期検診は忘れずに受けましょう」
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami
取材・文/sorami
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