犬と暮らす
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吠えるのは生き残るため! 愛犬のキモチが分かる「犬の心理学」って?
犬が吠えるのは「危険」を感じているからかも!
そもそも犬は、人に比べると「危険か?」「安全か?」の心理が本能的に働きやすいと言われています。諸説ありますが、犬の祖先といわれるオオカミにとって、敵や自然などの脅威にいち早く気づくことは、自然界で生き残るために大切なことでした。
その名残で、犬は初めてのものや場所などに対し、身を守ろうとする本能がまず働き、「危険か」それとも「安全か」という心理になりやすいと言われています。
犬は3つの基準で「危険」を判断しています
【ニオイ】……初めてのニオイや嫌な思い出のあるニオイは警戒しやすく、肉やチーズなどのニオイ、大好きな人や犬のニオイは安全と感じやすい傾向にあります。
【音】……大きい音や初めて聞く音に対しては危険を感じやすく、反対に、小さい音や聞き覚えのある音に対しては安全だと感じやすいです。
【見た目】……見たことのないものや、動いているものに対しては警戒しやすく、見たことのあるものや動きそうにないものに対しては安全と感じやすい傾向があります。
犬が「危険」と感じたときのしぐさって?
●逃げる
●縮こまる
●吠える・うなる
●口元に力が入る など
「危険かも!」と犬が感じたら、逃げて離れようとしたり、「あっちへ行け!」と言わんばかりに吠えて遠ざけようとしたり、また「戦う気はない」と降参のポーズを見せるなどして身を守ることがあります。
犬が「安全♡」と判断したときのしぐさは?
●積極的に近づこうとする
●しっぽをゆったり振る
●口元がゆるんでいる など
このようなしぐさが見られることが多いようです。犬が安全だと判断すると、「もっと知りたいな♪」と好奇心が高まり、自分から積極的に対象に近づいていくなど、興味津々なしぐさが見られます。表情や体勢も、自然とリラックスした印象に。
また、安全と感じているもので、かつ前に見たことがあるものや、経験したことのあるものなどは、興味が薄くなるために「もう知っているよ」と言わんばかりに反応しないこともあります。
観察してみよう!
このように、犬が吠えるときには本能的に「危険」を感じていることがあります。「飼い主さん、怖いよ~」と怖がって吠えている犬に対して、「うるさい!」「静かに!」などと叱りつけても、吠えは止まないどころか飼い主さんに悪い印象をもってしまうことも……。
愛犬と良い関係を築いていくためには、愛犬のキモチを思いやることが欠かせません。
もし愛犬が吠えていたら、叱るのではなく「これは何かを怖がっているのかな?」と犬の気持ちになって考えてあげるとよいでしょう。
参考/『いぬのきもち』2018年6月号「愛犬の心理学」(監修:帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授 加隈良枝先生、しつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/影山エマ
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