犬と暮らす
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犬が急に体を触らせてくれなくなった…なぜ? 考えられる3つの理由とは
もし触られるのを嫌がったら、異変の可能性もあるようです。考えられる理由について、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました。
愛犬が急に触らせてくれなくなった…なぜ?
「急に体を触らせてくれなくなった理由としては、たとえば…
- 体のどこかが痛い
- 怖い思いをしている
- その人に対して不信感を抱いている
「観察するポイントとしては、どこか痛そうでないかを確認してください。犬の様子を見て、下記のように推測することもできます。
- 動かない、食べない、吐く、下痢をする、ふるえるなど→「お腹が痛い」可能性あり。
- 動かない、片脚をひきずる、ふるえる、元気がない、食べない、排泄しないなど→「足が痛い、腰が痛い」可能性あり。
「そうですね。痛くて鳴いてしまっているようなときは、『いつ鳴いているのか』を確認しましょう。
- 排泄のときに痛がっているのか
- ずっと鳴いているのか
- 抱くときに鳴くのか
- 抱こうとすると鳴くのか
すべてを確認できなくても、わかる範囲で様子を確認し、受診してください。飼い主さんの話の内容と犬の様子をもとに獣医師が触診をしたりして、診察を進めていきます」
「今は痛くなくても、触られたくないところもあります。たとえば、股関節を過去に痛めていたり、弱いようであると、触らせなくなることはあります。これは『触られると痛いかも』という心理が働くためです。
もしそうした経歴があるのであれば、無理に触らなくてよいです」
痛いところがないのに触らせてくれない場合
「そうですね。『怖い』という心理が働くと触らせなくなります。たとえば、触られていたときに大きな音がして怖かったとなると、『触られる=怖い』が結びついてしまいます。これはセンシティブな犬に見られます」
「判断は難しいですが、お腹や腰が痛くないかなど見て、それらが除外され、かつ因果関係がありそうであれば、診断にこぎつけると思います。
先述のように『触られる=怖い』と認識している犬の場合、時間とともにまた信頼関係が改善し、犬の抱える怖さが緩和されると思います。
しかし、暴力による怖さは人間不信になってしまい、その後の関係修復も難しくなります。絶対に暴力はやめてください」
愛犬の体をふだんから触ることのメリット
「そうですね。触れ合うことでお互いの関係性が深まりやすいです。何か薬を塗らなければならないときにも、ふだんから愛犬の体に触れておくと対応しやすいです。日頃から愛犬の体のいろいろな部位を触れるようになっておくといいでしょう。
たとえば、耳や口になにかできていたとしても、ぱっと見ではわからないです。耳をめくったり、唇をめくったり、口を開けないといけません。足先も触られるのが苦手なコもいるので、触る練習が必要な場所です」
「そうですね。ふだん通り撫でてあげるだけでも、異変に気づけることがあります。たとえば、前までなかったものが体にできていたら、撫でているときにそれに触れる可能性があり、異変だと気づけますよね。
もし触られて嫌がる場所がでてきたら、痛みを感じているのかもしれません。触っていて臭かったら、耳や皮膚の病気かもしれません。ニオイも確認してみるといいでしょう。
ちなみに、見ることができて便利なところはお腹です。仰向けにごろんと寝転ぶ練習をしておくと、お腹側のできものに気づきやすいです。マッサージをしながら観察するのがおすすめですね。お腹側に薬を塗るときもとてもラクですよ。
私は獣医師なので、ついでにお腹の臓器の触診もします」
取材・文/柴田おまめ
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