犬と暮らす
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犬が見せる「お腹いっぱい」のサイン 食べ続けることで起こるリスクとは?
犬がごはんをおいしそうにたくさん食べている姿を見て、嬉しくなる飼い主さんもいるでしょう。でも、犬にも満腹があり、そのサインをしぐさや行動で伝えていることもあるので、気づいてあげたいですよね。
この記事では、犬が見せる「満腹サイン」や「犬が食べすぎることで起こるリスク」などについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬が見せるお腹いっぱいのサインとは?

ーー犬が見せる「お腹いっぱい」のサインには、どのようなものがありますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「たとえば、犬はお腹がいっぱいのときは…
などの行動を見せることがあります」
犬は満腹になるの?

ーー犬には満腹感のようなものはあるのでしょうか? 食べるコは、いつまでも食べているようなイメージもありますが…
獣医師:
「犬も満腹にはなります。食欲旺盛だったり、ストレスが多かったり、ほかに楽しみがなかったり、過食傾向になる病気のときは、どこまでも食べそうに見えますが、実際のところ満腹にはなります。
犬の胃袋にも限界がありますので、限界がきたら食べるのをやめると思います。お腹を壊すこともあります。」
ーー愛犬の食べっぷりを見て、なぜそんなに食べることができるのだろうと、驚いてしまった飼い主さんもいると思いますが、食べるコは本当に食べますよね。
獣医師:
「犬の祖先である野生のオオカミは、たくさん食べられるように体ができていて、胃を広げることができます。これは、狩りが成功したときにだけごはんにありつけるため、そのときにためて食べる必要があるからなのです」
ーーその性質が犬にも残っているのでしょうか?
獣医師:
「そうですね。満腹中枢が刺激認識されるにはある程度時間は必要ですので、ゆっくり食べない犬は満腹を感じる前にどんどん食べ進めます。そういうコは、飼い主さんから見ても満腹にならないように見えると思います」
犬にごはんを与えるときに、飼い主さんが心得ておきたいことは?

ーー犬が喜んで食べるからといって、あげ続けてしまうこともあるかもしれません。犬にごはんを与える際に、飼い主さんが覚えておきたいことはなんでしょうか?
獣医師:
「野性味が薄れた現在の犬は、食べる量を自分で調節できないコが多いなと思います。食が細い犬はどこまでも食べるということはせず、むしろ足りない傾向にあります。
また、家で留守番する時間や機会が多く、楽しみが食べることだけというコも多いです。そうなると、寝るか食べるかになってしまい、過食傾向、肥満につながります。飼い主さんは、1日のなかに運動や遊びをしっかり取り入れてほしいです」
ーー先生が実際に見たことのある犬で、食べすぎによって危険な状態になったコもいますか?
獣医師:
「盗み食いでよく見られますが、限界まで食べて胃拡張を起こし、大変な状況になってしまうコがいます。好きなものを食べたいだけ食べたのでしょうが、とても苦しがります。ごはんは適量を食べるように、飼い主さんがコントロールしてあげないといけないですね。
また、パグなどの短頭種は、ほかの犬種よりもごはんが胃から腸へ流れるのに時間がかかります。パンティングも多く、空気もお腹に入りやすいです。お腹がパンパンになりやすく吐くコも多いので、フードの選択、与え方に工夫が必要です」

愛犬の食事をコントロールできるのは、飼い主さんだけです。愛犬の健康のためにも、日頃から気をつけてあげてくださいね! もしわからないことがあったら、かかりつけの動物病院で相談してみるといいでしょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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