犬と暮らす
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人よりもジェラシーがスゴい!? 嫉妬しやすい犬の特徴とお世話のコツを解説
今回、犬の嫉妬の実態について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬は嫉妬をするのか?
「犬の性格によりますが、犬も嫉妬することがわかっています。たとえば、『自分を優先してほしい』『自分にかまってほしい』『自分を見てほしい』など、犬は生活のなかでいつも自分の順位や周囲との優劣を気にする傾向があるのです」
「そうですね。もしかしたら犬のほうが些細なことでも人より嫉妬しやすいかもしれません」
犬が嫉妬しやすいシチュエーションとは?
「よくあるのが、散歩中に飼い主さんがほかの犬と出会って、撫でてあげたり話しかけているときです。自分のほうを見てほしくて、わざと間に割って入ってきたり、嫉妬が強いコだと『私の飼い主さんだよ!』と相手の犬を威嚇したり攻撃しようとすることもあります」
「そうですね。ちなみにこのとき、相手の犬に対して怒るコはいますが、飼い主さんに向かって怒る犬はほとんど聞いたことがありませんね」
嫉妬しやすい犬の傾向はあるの?
「嫉妬しやすいタイプの犬には、下記のような特徴が見られると思います。
- 飼い主さんから一身に愛情を受けて依存心が強い
- 飼い主さんへの独占欲が強い
- 自分の順位を気にする
「そうですね。多頭飼いをしていると犬の嫉妬が起こりやすい状況が多いでしょう。
これまで飼い主さんを独り占めできていたけれど、新入り犬が来たことによって飼い主さんの注意が新入り犬に向かいやすいですよね。そうなると、先住犬が疎外感を感じてしまい、嫉妬することはよくあることなのです」
「たとえば、『新入り犬のほうが飼い主さんと多く遊んでもらっているように感じる』とか『新入り犬のほうがおやつを多くもらっているように感じる』といったような感情を抱いてしまうコもいますね」
多頭飼いさん必見! 嫉妬しやすい犬への接し方のコツとは?
「お散歩などで飼い主さんがほかの犬と接した後には、愛犬にも同じようにかまってあげてください。
多頭飼いの家庭では、飼い主さんが目の前でほかの犬と遊んでいる場面を見て嫉妬心が高まっているようであれば、見えないところでほかの犬と遊んであげるように工夫しましょう」
多頭飼いでは先住犬を優先してあげよう
「そうですね。先住犬を優先して大げさにかまってあげて、優先順位を示してあげることが重要です。『お世話やスキンシップは先住犬を優先する』『年功序列にする』という順位付けをして接してみましょう。
甘えん坊な犬や嫉妬しやすい犬に対しては、時間を少し多めにスキンシップをとるといいですが、犬同士の間に飼い主さんが深入りしすぎたり、干渉しすぎないようにしてください。
過保護になってしまうと、些細なことでも飼い主さんの愛情がほかへ移ってしまったような気持ちになったり、疑心暗鬼から嫉妬しやすくなってしまいます」
「犬自身もほかの犬との関係を築いたり、折り合いをつけることで社会化につながります。犬同士が関わり合うことで、それぞれが自律・自立できるようにサポートしてあげましょう。
犬に愛情を注ぎ、信頼関係を築くことで安心感を与えながらも 、適度な距離を保って犬の自立心を育てることが、嫉妬する機会を減らすためにも必要です」
嫉妬によるケンカがひどい場合
「嫉妬がいきすぎてしまって血を見る状況になるのであれば、行動科に相談する必要があります。力加減によっては、年上(先住犬)、年下を関係なく順位をつけたお世話をすることがあります」
とくにこれから新入り犬を迎える予定のある人は、先住犬が嫉妬してしまう可能性もあることを考慮しておくとよいでしょう。「先住犬を優先してあげる」ということを実践するなど、しっかり愛犬の様子をみて触れ合っていきたいですね。
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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