寿命が約2年も長くなる!?「健康体重」を知ろう
愛犬・愛猫はどんな体型でもかわいく見えてしまうもの。健康な体重の犬・猫は、肥満体型に比べて約2年も寿命が長くなる という調査結果も。
では、愛犬・愛猫にとってのベストな体重、つまり「健康体重 」はどのくらいなのでしょうか?そもそも犬や猫の体型は被毛に覆われていてわかりにくく、どうしても見た目や体重だけで単純に判断することはできません。動物病院で獣医師に診てもらうことが大切です。
そこで、今回は実際の診察の様子や、アドバイスの内容をご紹介します。
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【Q&A】動物病院で獣医師に聞いてみました!
Q1.自宅での体重測定と動物病院での体重測定はどこが違うの?
まずは体重を測定
動物専用の細かく測れる体重計で測定することはもちろんですが、それ以外にも骨格や筋肉と脂肪の割合なども触診して、BCS(ボディコンディションスコア)を測っていきます。
たとえばチワワでも、小さい犬から大きい犬までさまざまいますので、その個体に合った適正体重であるかどうかを判断できるのは、動物病院ならでは と言えるでしょう。
触診で詳しく診断
Q2.診察では何をするの?
第一の目的は「いかに健康でいられるか 」ということ。ですから体重や体型以外にも、関節の触診や、心臓の聴診、口腔内環境の確認、目や耳などに異常がないかなど診ていき、もし減量が必要な場合、運動を行っても問題がないか も確認します。また、普段の生活環境やフード・おやつの内容や回数、散歩を含めた運動量なども飼い主さんに伺っていきます。
脚の膝蓋骨脱臼を触らせてもらう
例えば今回のチワワですが、BCSは4で正常範囲でした。ただしシニアということもあり、なるべく筋肉量を落としたくありません。また、心臓に少し心雑音があるのと、足の関節も脱臼しやすくなっています。
そういったことを総合的に判断すると、このチワワには「食事量はキープしつつ、お散歩等では走らせるなどの激しい運動は避け、歩く時間をこまめに取る」といった方法がおすすめでしょう。
Q3.肥満の場合は薬を服用するの?
いいえ。普段の食事でできる「減量プログラム 」をおすすめしています。もしおやつを与えている場合は、おやつをカットしていただくことから始めるのですが、どうしてもおやつを与えたいという場合は、おやつの分フードの量を調整して一日のカロリー摂取量を「減らす」という方法になります
ただ、そうするとフードの量が減ってしまって不満という犬や猫がいるかもしれませんので、オススメしているのはロイヤルカナンの『満腹感サポート』という療法食です。通常のフードより低カロリーなので、食事量を減らさずにカロリー摂取量を押さえることができ、愛犬・愛猫に負担なく減量を行うことができます。
Q.それでも「おねだり」が止まらない時には?
A. おねだりをしてくる場合でも、実は「空腹」とは限りません。
ただ単に「食べることが好き」で、それによって嬉しい・楽しいと感じられるから求めてしまっている場合もあります。ですから、そういった嬉しい・楽しいということを「なでる」などの飼い主さんとのコミュニケーションで満足させる というのも、いい置き換えだと思います。
普段から獣医師の先生に相談する習慣があると、いざという時にも安心
例えばそんなコミュニケーションの1つとして運動を取り入れるのは、筋肉量を増やせますし、減量にもつながるのでいいでしょう。簡単にできるものをご紹介します。
【犬向け】
●フセ・スワレ・タテ・トマレ!
人間でいうスクワットに近いですが、やはり全身運動が犬にも効果的です。「フセ」「スワレ」「タテ」「トマレ」といった基本動作を数回くり返すだけでもいい運動になります。指示が分からないコなら、おやつを鼻先に持ってきて、動くように仕向けてあげるといいでしょう。そしてできたらたくさん褒めてあげましょう。
●お散歩コースに坂道を
坂道はちょっとでも運動負荷がかなり上がります。上りは有酸素運動、下りは筋肉トレーニングと、違う効果がありますよ。
【猫向け】
●飛び跳ねる場所をつくる
猫は縦運動ができることが大切ですので、キャットタワーが理想ですが、家具の配置で危険なく登れる場所を作ってあげることがひとつです。
●猫のおもちゃ用のレーザーポインターを活用
おもちゃだと壊れてしまったりして誤飲などの危険性があるので、そういった危険のない猫のおもちゃ用のレーザーポインターはよくおすすめしています。扱い方もかんたんですよ。
ただし、肥満なのに過度な運動をしてしまうと余計な負担をかけてしまうことも。愛犬・愛猫に合った運動量ややり方を動物病院で聞いてみてください。
愛犬・愛猫と一日でも長く一緒にいるために。おうちでできる毎日の食事管理とちょっとした運動で、愛犬・愛猫の健康を守ってあげたいですね。
監修:日本動物医療センター 副院長 冨田夏子 先生