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獣医師が目撃! 犬のことで「間違った思い込み」をしている飼い主さんの実例

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犬のお世話を真剣にしている飼い主さんでも、犬に関することで間違った思い込みをしているようなこともあるようです。

この記事では、いぬのきもち獣医師相談室の先生が実際に目撃した飼い主さんの実例を紹介します。

犬の体の構造があまり理解できていない飼い主さんの場合

見つめるマルチーズ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ーー先生が実際に見たことのある犬の飼い主さんで、「犬に対しての思い込みがあるのかもしれない」と感じた出来事などはありましたか?

いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「動物病院で診察しているときによく思うことなのですが、犬の肘や膝、かかとなどの体の解剖学的な位置を知らない人がいるなと感じます。

ある飼い主さんが電話の問い合わせで、『肘からべた足なんです』とおっしゃっていたのですが、実際は手首の異常でした。ほかにも、一つの足に膝が二カ所あると認識している飼い主さんもいました。どうやら膝とかかとの両方を膝だと思っていたらしいです」

ーー飼い主さんの話を聞いてから犬の状態を見ると、言っていることと違うな…となってしまうわけですね。

獣医師:
「そのほかにも意外と多いのが、オス犬には乳首がないと思っている飼い主さんです。『お腹になにかできてます』と言ってくる飼い主さんに、『それは乳首です』と答えると驚いていらっしゃいますね」

ーー乳首だと思わず、イボやしこりだと思ってしまったのかもしれませんね。たしかにそれは驚きがありつつも、飼い主さんはホッとしたでしょうね。

獣医師:
「愛犬になにか異常があるときに、飼い主さんが獣医師に対して言葉で伝える必要があるので、体の構造をある程度知っておいてもらえると、認識のズレが少なくなるのでいいなと思います」

「普通の犬にしたい」と思っている飼い主さんに知ってもらいたいこと

見つめる犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ーーほかにも、飼い主さんの言動で疑問に思ったことはありますか?

獣医師:
「犬のしつけなどに悩んでいるような飼い主さんから、『吠える、人見知り、犬と遊ばない…これってダメですよね。普通の犬のように犬らしくしたいです』といった声を聞くことが多いですね。

しつけなどで問題が生じる原因のひとつとして、よく知られているように犬が適切な社会化期を逃してしまったというケースもあります。しかし、問い合わせをされる多くの飼い主さんが、『絶対に吠えさせてはいけない』『人と遊ばなければならない』『犬と遊ばなければならない』と思っているようです。これは、間違った思い込みだなと思います」

ーー犬の「社会化期」は、一般的に生後4カ月ごろまでのことだといわれていますよね。社会化期のうちにしつけや刺激慣れができていない場合、ストレスや不安から問題行動を起こす恐れもあるのですよね。

獣医師:
「そうですね。社会化期にいろんな経験ができたかというのもありますが、犬にもそれぞれ性格があります。いろんな気持ちがあって、好きなこと、苦手なことだってあります。

『吠えさせてはいけない』と思い込んでいる飼い主さんもいますが、犬が声を出すということは、気持ちを表すための手段です。嬉しいときに抑えきれない気持ちを吠えて表現しているのであれば、声を出してもよいのではないでしょうか? 

犬が気持ちを表出できることは、健全に心が成長したということです」

眠る犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ーー人のことが苦手だったり、ほかの犬と仲良くできないことを気にしている飼い主さんは、どのように考えてみるといいですか?

獣医師:
「たとえ人とアクティブに遊ばなくても、犬が穏やかにすることを好んでいるのであれば、それでもいいのです。人に好き嫌いがあるように、犬もすべての犬と仲良く友好的にしなくてもいいのです。

ただ、怖くて仕方がないものは少ないほうが犬も気楽に過ごせるので、ほかの犬に会う機会がある場合は少しずつ距離を近づけるような練習をしてもよいかもしれません。

『普通の犬にしたい』と考える飼い主さんもいますが、『普通』はいろいろあるのです。みんな普通ですから大丈夫です」

ーーいろんなタイプの犬がいますが、それを個性だと思って認めて育ててあげたいですね。

その治療が「普通の治療かどうか」が気になってしまう飼い主さんも

見つめるカニーンヘン・ダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

獣医師:
「診察中によく見る飼い主さんの例でいうと、『これって普通の治療ですか?』という質問も多いです。

標準治療というものはもちろんあると思いますが、犬それぞれの病態、性格や性質などさまざまな事情を踏まえて獣医師は治療にあたります。100頭いたら100通りの治療というオーダーメイドなもので、いろいろな匙加減が必要になります。

また、治療法は病院によっても異なることがあります。ある病気に対して特化した治療法を提供する病院であれば、メインがその治療になることもあるでしょう。100軒病院があれば、治療法も100通りなのです。

それでも、治療法について飼い主さんが不安になることはあると思いますので、病院にその気持ちを伝えることをおすすめします」

ーー治療法について獣医師さんに聞きにくい…という飼い主さんもいるかもしれませんが、どんなふうに伝えるといいでしょうか?

獣医師:
「たとえば、『Aという治療を聞いたことがあるのですが、どうでしょうか?』『こういう検査はありますか?』『お友達がこういう治療をやって良くなったらしいですが、どうですか?』というふうに伝えてみるといいでしょう。聞いてみるだけでも、先が見えてくると思います。

今の治療に疑問を感じたときには、セカンドオピニオンに行かれてもいいと思います。ほかの動物病院の獣医師の見解も聞くことで、今が踏ん張りときなのか、新たな治療法が必要なのか、ほかの選択肢も見えてくるかもしれません」

ーーかかりつけ医のことを考えるとセカンドオピニオンしづらいこともあると思いますが、疑問がある場合にはほかの先生の意見も聞くことで、今の治療にも自信が持てるかもしれませんよね。

見つめるポメラニアン
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

今回紹介したエピソードを見て、もしかしたら心当たりがある飼い主さんもいるのではないかと思います。

犬のしつけなどでは、飼い主さんが一生懸命になりすぎるほど、愛犬の気持ちから離れてしまうこともあるのかもしれません。犬にもそれぞれ個性があるということを理解して、接してあげられるといいですね。

(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ

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