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パグやフレブルなどの「鼻ぺちゃ犬」がかかりやすい病気とは? 飼育上の注意点も
この記事では、鼻ぺちゃ犬が気をつけたい病気について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
”鼻ぺちゃ犬”が気をつけたい病気
「鼻ぺちゃ犬、いわゆる短頭種とよばれる犬は、圧倒的に呼吸器の病気が多いです。鼻の長さが短く、その中にすべての構造を詰め込んだ状態になっているため、構造上、呼吸に支障をきたします」
「短頭種の呼吸器の病気は、まとめて『短頭種気道症候群』と呼ばれ、いびき、呼吸音のガーガーなどの異常音、呼吸困難、チアノーゼ(酸素が十分にいきわたっていない状態)が起こります。
そのなかでも、軟口蓋(なんこうがい)という気道と口腔の蓋となっている部分の長さが長いことで、空気の通り道が狭くなってしまい、呼吸困難や喘鳴(ガーガーと苦しそうな音)の原因になるのです。
サインとしては、呼吸数の増加、呼吸音の異常、舌や口腔粘膜の色が紫になるなどがわかりやすいです」
犬に負担をかけてしまう飼い主さんの行動
「たとえば、夏場は気温の上昇によって体温を下げるためのパンティング呼吸をするのですが、うまくできずに熱中症になりやすいです。夏場の散歩は十分に注意が必要です。
また、太りすぎは気道を圧迫してさらに呼吸を困難にしてしまいますので、おやつやごはんの与えすぎには注意してくださいね」
短頭種気道症候群などの病気を予防するために、飼い主さんができること
「ふだんからよく愛犬のことを観察し、いつもと違う呼吸音や、苦しそうなしぐさをしていないか、注意深く見てあげることですね。
短頭種気道症候群は、老化とともに発症する場合もあれば、若いうちから苦しそうな場合もある個体差の大きい病気です。愛犬が若いうちからかかりつけの動物病院を見つけておき、症状を緩和する方法を獣医師とよく相談しておくことが大切になります」
取材・文/柴田おまめ
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