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コロナ禍以降に見られた愛犬と飼い主の悩みや生活変化 今後気をつけたい問題も
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されているなか、いぬのきもちWEB MAGAZINEでは2020年11月に犬・猫の飼い主1,356名を対象に「2020年3月以降、全国的な新型コロナウイルス感染拡大から、緊急事態宣言を経て現在にいたるまでの犬・猫の飼い主さんへの影響」についてアンケート調査を実施。そこで、さまざまな声が寄せられました。
この記事では、アンケート調査の回答で見られた「コロナ禍以降の愛犬と飼い主さんの変化」や「生活の変化が犬に与える影響」などについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
コロナ禍以降に見られた愛犬と飼い主さんの変化
ーーアンケート調査によると、コロナ禍以降、飼い主さんが感じる愛犬の変化で多かったのは「甘えが強くなった」ことが挙げられました。なぜだと考えられますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「飼い主さんと愛犬が同じ空間にいるため、接する時間、顔を見る時間がおのずと増えたことで、一緒にいることが当たり前になったからだと思います。
犬としては飼い主さんと一緒にいることが普通になり、飼い主さん側からすれば離れなければならない時間にも愛犬が一緒にいようとすれば、『甘えているな』と感じると思います」
これまでの日常に戻ったときに、犬への影響も
ーーコロナ禍以降、リモートワークになるなど飼い主さんの働き方も大きく変わったと思います。今後、普通の日常に戻ったときには、犬にどのような影響が見られるでしょうか?
獣医師:
「通常の日常に戻ったときに、急に出勤や外出が増えれば、犬はまた戸惑うでしょう。体への影響としては、寂しさを感じたりストレスを感じることで消化器系の調子を崩したり、持病の悪化が懸念されます。また、心の影響を考えたときには、分離不安になることもあるでしょう」
ーーそれは気をつけたい問題ですね。今だけでなく、先を見据えた生活スタイルを考えていく必要がありそうですね。
コロナ禍以降、飼い主さんの生活スタイルの変化による犬への影響
ーーコロナ禍以降、飼い主さんの在宅時間が増えたことで、「おやつのあげすぎで肥満気味になった」「昼間の愛犬の寝る時間が短縮されてしまった」など、飼い主さんの影響で犬の心身に負担がかかっていることもあるようです。愛犬のことを考えた場合、飼い主さんはどのように意識して生活を共にするのがいいですか?
獣医師:
「これから先を見据えて、生活スタイルはなるべく変化がないようにしたいです。
以前となるべく変えない、これから先もなるべく変えない。変えなくてよい方法をそれぞれ考える必要があると思います。何事も100パーセントうまくできる必要はないので、お互いのちょうどいいところを見つけましょう。
おやつの与えすぎは肥満になり、さまざまな病気の引き金となってしまうので変えてほしいですね。また、睡眠不足は体力や免疫力の低下につながるため、犬が寝たいと思ったタイミングでしっかり寝かせてあげましょう」
獣医師が感じる「コロナ禍以降に増えた犬の不調」
ーー先生がコロナ禍以降に診た犬で、「こういう相談や不調が増えている」という感覚はありますか?
獣医師:
「このような状況になって長くなりますので、なんとなく傾向は見えてきているように思います。自粛生活になると、外で散歩ができなかったり、ドッグランに行かれなくなったりと、運動不足からくる肥満やストレス過多による二次的な問題が増えます」
ーーコロナ禍以降、犬たちにとっても今までできていたことができなくなったり、減ってしまっているケースもあるようですね。
獣医師:
「そうですね。また、社会全体がピリピリしてくるので、人間の緊張感や不安感も犬に伝わっているように感じます。犬は人とアイコンタクトをとれ、表情も見ることができますので、飼い主さんが感じていることが彼らの心にも伝わっていると思いますね」
ーー飼い主さんの不安な気持ちやストレスが犬にも伝わってしまうのですね。
新型コロナウイルスの感染拡大で、不安を感じている人も多いと思います。そうした不安な気持ちが愛犬にも伝わってしまっている可能性があるというのを、飼い主さんは覚えておきたいですね。
もし愛犬に不調を感じた場合には、飼い主さん自身の生活を見直してみることや、かかりつけの病院に相談することも必要でしょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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