更なる新型コロナウイルス感染拡大が懸念されている中、いぬ・ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、2020年3月以降、全国的な新型コロナウイルス感染拡大から、緊急事態宣言を経て現在にいたるまでの犬・猫の飼い主さんへの影響について、インターネットによるアンケート調査を実施しました。11月現在、犬・猫を飼っている方1,356名の回答から、コロナ禍における生活様式や行動の変化、課題についてレポートします。(アンケート実施期間:2020年11月25日~12月1日)
飼い主さんの一番の不安は5月・7月調査時点と変わらず 「自分が感染したら、愛犬・愛猫のお世話をどうする?」
愛犬・愛猫との暮らしについてもっとも強い不安は、5月・7月調査時と変わらず、「自分や家族が感染した場合、愛犬・愛猫のお世話をどうするのか」で62.7%の飼い主さんが回答しました。
また「自分や家族が愛犬や愛猫にうつしてしまうのではないか」の項目が微増する一方「愛犬・愛猫が新型コロナウイルスにかかってしまうのではないか」「フードやトイレシーツなどが手に入りにくくなるのではないか」の回答率は減少傾向にあり、犬猫お世話グッズに関する不安は少なくなってきております。
その他の声としては、
「もし、自分や家族が入院したら愛犬・愛猫はどこに預ければいい?」
・「飼い主が入院した時の犬の世話を出来る人がいない」
・「1人暮らしで自分が入院したら愛猫をどうしていいか」
生活の変化による愛犬・愛猫へのストレスはないか
・「家人が在宅となり、家に必ず人がいるようになったため、愛犬が留守番ができなくなった。通常の生活に戻った時の犬の状態が心配」
・「コロナ禍でのストレスや不安を愛猫たちに伝播してしまうのではと気になってしまう」
持病を持つ愛犬・愛猫への影響について
・「往診してくれている獣医さんが新型コロナウイルスに感染したら、毎週必要な点滴などはどうなってしまうのか不安」
・「受診しにくいというより万が一、動物病院で患者が出て病院が閉鎖されたらどうするか…(持病持ち、専門食、薬など)」
といった不安な声も挙げられました。
実際にコロナ禍による様々な影響を経験した方も
5月・7月調査ではあまり見られませんでしたが、今回の11月調査では新型コロナウイルス感染拡大により「すでにコロナ禍での影響」を経験した声も多く聞かれました。
・「実際に濃厚接触者になりました。飼い猫との距離感をどうとったらよいか、かなり悩みました」
・「愛犬がガンになったが、大学病院が受診を制限していて治療を開始するのが遅れた」
・「愛猫が腎臓が少し悪いのでずっと飲んでいる薬が不足して手に入らなくなってしまった」
・「ドッグランに行かなくなったので運動不足かも」
など。
「実際に周りに感染者がいない」という声も多く聞かれましたが、リアルな声を参考にいざという時を想定しておくことが大切になってくるかもしれません。
「飼い主自身が感染を防ぐ」ことを徹底、日常化か
今回の調査結果を通じて、「愛犬・愛猫に触れる前に手を洗うなどするようにした」(5月35.3%→7月38.6%→11月35.3%)、「家の中をいつもより消毒したり以前より清潔にするようになった」(5月38.7%→7月33.8%→11月33.3%)といった飼い主さん自身の「衛生管理」の項目はいずれも高い結果となりました。
また、11月の調査では、前回7月から「特に変えたことがない」と答えた方が増加(7月26.8%→11月35.5%)したことからも、手指の消毒を含めて衛生対策が日常化(定着化)していることが伺えます。
自分がもし感染した場合愛犬・愛猫のお世話について「不安に思うが特に何もしていない」が約70%。一方もしもの場合を想定している声も多数
「もし自分が感染したら愛犬・愛猫はどうすればいい…」という声は多いものの、「不安に思うが特に何もしていない」と回答した方は69.2%(5月73.3%→7月70.2%→11月69.2%)と最も多く、「できる準備をしている」は16.8%(5月14.1%→7月17.6%→11月16.8%)、「特に考えていない」(5月12.6%→7月12.2%→11月14%)という結果に。
一方、今回の11月調査では5・7月調査と比較すると、「何かあったらお世話をお願いする準備をしている」という具体的な声も多く聞かれました。
・「その時に預かってもらえる場所をいくつか準備しておく。ペットホテルや病院など」
・「離れて暮らす親族に世話をしてもらえるよう話をしている。またトイレシートやドックフード等をある程度備蓄している」
・「フードを多めに用意したり、預かり先を検索したり飼い犬の特徴(性格、どんな遊びが好きか、フードの種類他)をメモしたりしている」
など、もしもの場合を想定して準備している声が多く聞かれるようになりました。
東京都獣医師会のホームページでは、もし「飼い主さん自身が新型コロナウイルスに感染してしまった場合」ペットを預けるために知っておきたいこと、逆に自分が預かる立場になった場合、双方の具体的な対策方法や準備すべきことをまとめています。
愛犬・愛猫を預かっていただく方がいらっしゃる場合も、これから準備する方も、愛犬や愛猫の情報を伝える場合のコミュニケーション等、工夫が必要になるのではないでしょうか。
いぬ・ねこのきもちWEB MAGAZINEでもご紹介していますので、参考にしてみてください。
オンライン診療についてのニーズは高いが 実際の利用は増えていない
一方、かかりつけの動物病院などの受診については、コロナ禍であっても「受診を延期したり中断した(5月79.1%→7月83.8%→11月87.2%)」方は少なく、各動物病院では「密」を避ける工夫(来院時の飼い主の人数制限、待ち時間は病院の外で過ごす等)や、受診時間の短縮や予約制限、手洗い・消毒など衛生管理の対応が行われていることも分かりました。
一方、電話やオンラインでの獣医師による相談・診療サービスについては、利用したいという声が高いものの(5月78.1%→7月69.6%→11月69.7%)、11月の調査では実際に利用したことがあるという方は6.7%と少ない傾向に。
「いぬのきもち」「ねこのきもち」では、愛犬・愛猫との生活における疑問・悩みに
WEBサイト上で専門家が回答する無料サービス「ペットケアONLINE」を、スタートしました。
動物病院に行きにくい状況で不安な気持ちを抱えているようであれば、まずは気軽にできるオンライン相談という選択肢も活用してみてはどうでしょうか。
コロナ禍以降、飼い主が感じる愛犬の変化で多かったのは「甘えが強くなった」こと
コロナ禍が続くなか、「愛犬の変化」を聞くと「感じる」と回答した方が17.2%という結果に。
その多くがコロナ禍以降飼い主さんの在宅時間が増えたため「以前より甘えてくるようになった」というものでした。
また、
・「家族の在宅が増え、おやつのあげすぎで肥満気味に」
・「普段の散歩以外のお出かけを自粛した。コロナになってからお出かけを全くしなかったので、犬たちの不満がちょっと溜まり気味」
・「昼間の愛犬の寝る時間が短縮されてしまった」
という愛犬の体調や心の変化への懸念も見られました。
一方、「愛犬のストレスにならないように、できるだけコロナ禍前と同じ生活環境・生活リズムを心掛けて、在宅勤務中もトイレ等のお世話以外は構わないようにしていたので、出勤と半々になった現在もストレス症状はないです」
といった、飼い主さん自身の生活自体の変化はあったが、愛犬のために“変化をさせない”工夫をされた方もいらっしゃいました。
愛犬の不調を感じる場合には、飼い主さん自身の生活を見直してみたり、かかりつけの病院に相談するなどして愛犬を見守っていきたいですね。
コロナ禍以降の愛犬の迎え入れは ?
今回の調査では、犬の飼い主さんに2020年3月以降の全国的な新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛期間や、生活スタイルの変化に伴い、愛犬の迎え入れに変化があったかどうかを調査しました。
回答いただいた犬飼い主さんのうち、コロナ禍(2020年3月)以降愛犬を迎え入れた方は複数飼いの方を含めて18.8%という結果でした
コロナ禍以降、愛犬迎えた理由は「動物が好きだから」が最も高い結果に
愛犬を迎え入れた理由として「自分が動物が好きだから」(44.4%)「家族が飼いたいと言ったから」(30.6%)といった項目が高く、「ずっと飼いたかったがコロナ禍で自宅にいることが多くなり飼うきっかけとなったから」(24.1%)と続きました。
コロナ禍以降に愛犬を新たに迎え入れた詳しい理由としては
・「コロナ禍以前からお迎えする方向で色んなところを見ていて、このコだとお迎えしたのがたまたまコロナ禍以降だった」
・「コロナ前に介護をしていた17才の愛犬が亡くなり、その3カ月後に保健所に収容された犬を引き取った。ずっと飼いたかったが、飼うタイミングがコロナ禍と重なった」
などの声も聞かれました。
犬を迎えるにあたっては、散歩やお世話も含めて家族との協力が必要なことも多く、
しっかりとした準備と心構えが必要です。
「ずっとお迎えしたかったところによい出会いがあった」という声が多い中、コロナ禍による生活変化により、愛犬のお世話時間の確保ができるようになったなど、迎え入れる一因となった方もいることが伺えました。
withコロナ時代での愛犬との生活の変化は
withコロナ時代が続いているなか、新型コロナウイルス感染拡大がみられた2020年3月以降、夏を経て再拡大が懸念され始めた2020年11月以降と、飼い主さんご自身の生活の変化を実感されている方も多いと思います。
今回愛犬との生活について、動物病院の受診やトリミングサロン、愛犬との外出や、家族以外の方との交流などについて、「時期による行動の変化があったかどうか」についても聞きました。
新型コロナウイルスの感染拡大がみられた「2020年3月以降自粛している」と答えた項目で高いのは”人同士の交流を含むもの”
「自宅へ知人友人を招くなどの交流」(43.3%)、「親戚宅などに愛犬を連れて行く交流(帰省含む)」(36.3%)、「愛犬を連れての外食」(29.7%)、「愛犬を連れての旅行(ドライブ含む)」(28.3%)など、外出を伴ったり、人同士の交流を含むものについては「自粛している」と回答した方が多い結果となりました。「密を避ける」「外出を控える」といったことを実践している方が多い傾向がみられました。
一方、「自粛していない」と回答した方が多いのは「動物病院の受診」(81.4%)、「トリミングサロン」(65.7%)と愛犬の健康・お世話にまつわることが挙げられ、
「散歩での他の飼い主さん等との交流」(49.6%)と続きました。
新型コロナウイルス感染予防対策では、
厚生労働省でも
3密を避ける、マスクを徹底する等の対策を伝えています。
犬にとっての健康や体のケアはとても大切なこと。
飼い主さん自身が感染予防対策のうえ、日々の愛犬のケアを行っているのですね。
長く続くwithコロナ時代、対応力が必要か
「withコロナ」の時代は続き、更なる感染拡大が懸念されていますが、その中でも、まずは飼い主さん自身がしっかり感染予防対策をしている方が多く、それを継続していること、また、「もし自分が感染したら愛犬はどうするのか」について考え、”もしもの場合”に備えて準備している回答が増えていることが印象的でした。
いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、今後も情報「withコロナ時代の愛犬との安心できる暮らし」について情報発信を進めていきます。
―――
アンケート名称:【いぬ・ねこのきもちWeb】第3回犬猫コロナ禍アンケート
アンケート実施期間:2020年11月25日~12月1日
回答方法:WEB、いぬ・ねこのきもちアプリ
総回答数:1,356名
―――
【新型コロナウイルス第2回犬猫調査】まとめは
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文・分析/いぬのきもちWeb編集室