犬と暮らす
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「過剰なお世話をしていない?」獣医師がみた飼い主さんの実例5選
過剰なお世話をしている飼い主さんの実例5選
「ここでは、私が実際に見たことのある飼い主さんの実例を紹介していきます」
①耳掃除を頻繁にしすぎる
「愛犬の耳掃除を過剰にしている飼い主さんがいましたが、頻繁に掃除をしすぎるとかえって耳の環境を悪くし、外耳炎などのきっかけになることがあります。
耳が健康な状態であれば、2~3週に一度程度のお手入れで十分です。湿らせたコットンなどで、耳介や耳孔周辺など見える範囲を優しくふき取ってあげましょう」
②シャンプーを頻繁にしすぎる
「頻繁に愛犬をシャンプーしている飼い主さんがいましたが、皮脂を取り除きすぎて、かえって皮膚のコンディションが悪くなったり、皮膚炎のきっかけになることがあります。
皮脂が過剰に多いなどの事情がなければ、シャンプーは1カ月に一度程度にとどめ、日ごろのお手入れはブラッシングなどで行いましょう」
③サマーカットで毛を短く刈りすぎる
「『より涼しくしてあげよう』との思いから、愛犬の毛を過剰に短くしすぎている飼い主さんがいましたが、紫外線や熱などを遮断できず、かえって皮膚に負担がかかることがあります。また、毛の成長のサイクルが乱れ、以後長期間毛が伸びず、短いままになってしまうことがあります。
過剰に短くしすぎないように配慮し、毛を梳いて毛量を少なく調節するなどの工夫を取り入れましょう」
④ファッション目的で長時間服を着せる
「愛犬にファッション目的で長時間服を着せていた飼い主さんがいましたが、そもそも犬の健康上、服は必要ではありません。犬に服を着せるのは、基本的には寒冷時の保温や夏の外出時の暑熱対策などの温度管理、皮膚の保護など健康上必要なタイミングにとどめましょう。
なお、長時間の服の着用は犬のストレスになったり、毛玉や擦れによる皮膚トラブルなどのきっかけになることがあります」
⑤要求に対して、常に応える/常にそばにいて、離れている時間が少ない
「愛犬の要求に応えすぎている飼い主さんがいました。常に要求に応えてあげてしまうと、『応えてもらえないこともある』『そばにいないこともある』などを生活の中で学習するきっかけがないため、飼い主さんにいざ応えてもらえなかったり、長時間そばにいないなどの状況があると、そのことが愛犬にとってはかえって大きなストレスになります。
そのストレスから、過剰に吠える要求吠えや、気を引くために甘噛みしてくるなどの問題行動に発展することがあります」
過剰に愛犬のお世話をしすぎてしまう飼い主さんへのアドバイス
「愛犬にしているお世話が、本当に愛犬のためになっているのかをまずはきちんと考えることが大事です。
また、犬に愛情を伝えるのはお世話だけではありません。むしろ、こまめに遊んであげたり散歩をしたりなど、しっかり集中して向き合ってあげる時間を持つことが大切です」
「そうですね。ご自身がしているお世話については、かかりつけの動物病院などでアドバイスを求めるなどの工夫で、健康上ちょうどよい加減の目安を決めましょう。
もしそれ以上にお世話を過剰にしすぎてしまいそうなら、そのお世話の時間を愛犬と集中して遊ぶ時間に置き換えてみるなどの工夫をしてみるのも、愛犬との絆を深めるひとつの方法かと思います」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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