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犬の「誤飲・誤食」、開腹手術や死に至ったケースも…  獣医師が危険性を解説

犬を飼っていると、思わぬトラブルにヒヤッとすることもあります。誤飲・誤食も、そのひとつでしょう。

「愛犬が誤飲・誤食をした」 経験した飼い主さんは約7割

いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬の誤飲誤食に関するアンケート』 326件の回答
いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬の誤飲誤食に関するアンケート』 326件の回答
いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん326名に「愛犬が誤飲・誤食をしたこがあるかどうか」アンケート調査を実施。その結果、約7割の飼い主さんが該当しました。

愛犬が誤飲・誤食したものとは

おもちゃで遊ぶ犬
getty
では、実際に愛犬たちがどんなものを誤飲・誤食してしまったのか——飼い主さんたちに体験談を聞いてみると、思わずゾッとしてしまうエピソードが数多く寄せられました。

・「チャックや服のタグ、ボタン等。大人しいなぁって思っていたら、コソコソとかじってました」

・「アクセサリーポックスの中のピアスをまとめて付けてあるのもで遊んでいたみたいで、ピアスを8個くらい誤飲してました。ウンチがキラキラしていて、ピアスが出てきて気が付きました。その後、病院でレントゲンをとってもらい、全部ウンチで出てくれてるでしょ〜ということで、落ち着きました」

・「音の鳴る犬用ボールで遊んでいたのですが、そのうちボールを噛みはじめ、ピーピーなる部分のパーツがとれてしまい、飲んでしまいました。食欲も元気もあり、ウンチも普通に出ていたので様子を見ることにしました。ウンチの度に中を確認し、3日後くらいに出てきました」

見上げる犬
getty
・「タバコをかじってるのを見つけ、すぐに病院へ連れて行って吐かせる処置をしていただきました」

・「人間の薬を飲んだ。すぐに病院に行って点滴をしてもらい、元気になった。」

・「使い終わった湿布を剥がした直後、飲み込んだ。医者で嘔吐を促す注射をしてもらったが吐き出さず、次の日ウンチで出した」

・「ソファを引っ掻いて、中の綿やスポンジを食べてしまった。見つけた時には飲み込んでいたので、その後は様子を見ていたら、少し吐いて残りはウンチと一緒に出てきました」



食べ物を見つめる犬
getty
・「食べてはいけないものだと知らずにブドウをあげてしまった。特に異常がなく様子を見てました」

・「娘の学習机の棚の上の高いところに置いてあったスルメを、どうやって取ったか一袋近く食べてしまった。お腹がパンパンになり飲食せず動物病院に行ったら、どうにもできないので、絶食で消化するのを待つしかないと言われました。じっと大人しくして数日が経ち、少しずつ消化されたようで、1週間近く心配な日々を過ごしましたが回復しました」

・「気が着いたらテーブルの上にあった竹串を食べていて、慌てて救急医に診てもらい内視鏡で口から取り出してもらい、胃洗浄していただきました」
・「川原に落ちていたネズミの死骸。すぐに病院に行き原型のまま出てきた」

・「夜に散歩中、カエルの死体をかじった。口の中に手を入れて出させたが、どれくらいの量が入ったかわからない。急いで帰宅すると、玄関前で何度も泡状のものを吐瀉。その後、すぐに夜間救急病院に連れて行ったが、胃洗浄まではしなかった」

見つめる犬
getty
・「履いていた靴下を引き抜いて飲み込んてしまい、夜間診療の病院に行って点滴で吐かせた」

・「仏壇のシキミの水を取り替える際、葉っぱを落としていたのに気づいてなかったところ、チワワが知らない間に拾って噛んで遊んでいました。慌ててかかりつけの獣医さんに電話で相談して、中毒になるのですぐ連れてくるよう指示され、吐かせる処置をしていただき、ことなきをえました。休日でしたが、獣医さんや看護師さんが迅速に対応してくださりありがたかったです」
診察を受ける犬
getty
なかには、誤飲・誤食によって開腹手術や内視鏡手術をしたり、処置をしたものの、亡くなってしまったという声も寄せられました。

・「チョークチェーンで遊んでて誤って飲み込んで、開腹手術になってしまった」

・「椅子に掛けてあったカーディガンのボタンをいつも噛んでいて、ある時、取れて食べてしまった。初めてのことだったので、どうしていいのか分からず調べましたが、腸閉塞の言葉が頭から離れず病院へ連れて行き、内視鏡で取っていただきました」

【獣医師解説】犬が誤飲・誤食したとき、飼い主がとるべき行動は?

フセをする犬
getty
飼い主さんからさまざまな誤飲・誤食に関する体験談が寄せられましたが、実際にどのような対処をするのが適切なのでしょうか? 今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞きました。

——犬が誤飲・誤食をしたとき、基本的に飼い主さんはどのような行動をとればいいですか? 

いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
誤飲・誤食に気づいた時点で動物病院へ連絡して、どのように対応したらよいかを確認し、受診しましょう。夜間に起こることもありますので、かかりつけ医が休みでも受診できる病院をあらかじめ探しておきましょう」

緊急を要する誤飲・誤食とは

見つめる犬
getty
——とくに緊急を要する誤飲・誤食は、どのようなものでしょうか?

獣医師:
「たとえば…
  • 食べ物ではないもの
  • 犬が食べては危険なもの
  • 食べ物でも大量なもの

などの誤飲・誤食は、すべて問題を起こす危険性があります。最近は、ありとあらゆるものを誤飲・誤食して、診ることが多いです。

とくにマスクをする必要が出てから、マスクの誤飲が増えました。イヤホンも食べるコも増えているように感じます。おそらく、感触や飼い主さんのニオイが気になるのかもしれません」

——「これは食べないだろう」というものも、犬は口にしてしまうのですね。

獣医師:
「ドッグフードでさえも、大量に食べてしまうとお腹がパンパンになり、血圧が下がって死にそうになることがあります。

散歩中に落ちているものなどを食べてしまうコもいると思いますが、注意が必要です。とくに冬場の外の散歩ではものが凍りやすく、普段は柔らかく問題が起きそうになかったものでも硬くなり、食べて窒息死しそうになったコもいます」

誤飲・誤食をしたとき、飼い主さんの判断で「様子見」はいいの?

診察を受ける犬
getty
——アンケートの回答を見ると、愛犬が誤飲・誤食をしたときに、飼い主さんが自分の判断で様子見をしているケースが多かったです。「様子見すること」に、危険性はないでしょうか?

獣医師:
危険です。愛犬が誤飲・誤食をしないようにすることが一番ですが、飲み込んでしまったら軽視せずに、すぐに病院で診てもらったほうがよいです。

小さいから、少ないから大丈夫という方も多いですが、それは間違いです。小さいと感じても犬にしては大きかったり、小さいものが積もりに積もって大きくなり問題が出ることも多いです。感受性によっては、微量でも問題が起きることもあります」

——飲み込んでしまったものによっては、命に危険が及ぶものもあるのですね。

獣医師:
「そうですね。早めに対処していれば、大事に至らずにすむことも多いです。気づいていながら様子を見て、のちに来院される方もいますが、早いうちに来てくれれば…と思います。

起こってしまったことは仕方がないので、誤飲・誤食に気づいたときには、愛犬のためにも早めに適切な対応をするようにしましょう」

——「さつまいもを食べさせて様子を見た」という声も聞かれましたが、この対応についてはどうでしょうか。

獣医師:
「かかりつけ医に指示を仰ぎ、そのような方法をとることが最善であるとされる場合には、よいと思います。しかし、自己判断せずに、まずはかかりつけ医に相談し、受診をしましょう。誤飲・誤食をしたということを知らせておいてもらうだけでも、かかりつけ医では準備ができます」

ごはんを食べる犬
getty
犬の誤飲・誤食は、ときに命に関わることもあります。飼い主さんの独断で様子見をせず、かかりつけ医の指示を仰ぐようにしましょう。


『犬の誤飲誤食に関するアンケート』
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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