犬と暮らす
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どんな感情なの?留守番中の行動から見える愛犬の気持ち
留守番中の犬の行動と、その理由や気持ちについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞きました。
留守番中の犬の行動
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「個体差はありますが、留守番中の犬は寝て過ごしていることが多いでしょう。高齢になるとずっと寝ていることもありますが、ときどき起きて食べたり排泄したり、遊んだりイタズラしたり、外を見たりしているでしょう。
留守番が苦手なコは落ち着かずずっとウロウロしていたり、鳴いていたりするかもしれません」
どんな気持ちが隠れている?
寝ているとき
「寝るコは、暇だから寝よう、やることないから寝よう、寝たいから寝よう、ときには静かに寝れるな等と感じているでしょう。
また、多くは早くみんな帰ってこないかな、ご飯まだかな、散歩まだかなと感じていると思います。
よく、家族の帰りを大歓迎してくれる姿を見ますよね。ひとりでやることもなく、おもちゃにも飽き、つまらない、楽しいことないかなとも感じているコもいるでしょう。
行き過ぎるとイライラしてしまうコもいます」
イタズラをしているとき
「犬自身はイタズラとは思っていませんが、『みんないないからイタズラできる!』『怒られずに好きなことを好きなだけできる!』と喜んでいるのでしょう。
カメラを設置しているお家では、今まで静かにしていても、ここぞとばかりに思いのまま行動している様子が見られることがあるようです」
分離不安になってしまうと……
「留守番が苦手すぎて、分離不安になっていると心の中はとても大変です。そのような様子を見ると、人生終わりくらいの大きな不安や恐怖を抱えているように見えます」
トイレシーツを噛む、吠えるなどの行動が見られるときは?
獣医師:
「トイレシーツを噛んでいるときは、単純に楽しんでいる場合もありますが、イライラしているときにストレス発散として噛んだり、不安で何かを口にしていたいという気持ちで噛んだりするケースもあります。
留守番中、何かに対して吠えている場合は、その対象から自分の縄張りや身を守りたい、追い払ってやるといった、警戒心や恐怖、怒りからくる行動でしょう。
また、興味があるものに対しては、好奇心や喜びといった気持ちが隠れていることも。そのほか、飼い主さんがいない不安や悲しみ、恐怖などの感情から吠える場合もあります」
――トイレシーツなどを噛む行動には誤食の危険もありますが、そのような場合の対処法を教えてください。
獣医師:
「メッシュカバーのあるトレーを使ったり、自動トイレや布製シートを活用したりといった対策をしておきましょう。また、褒めるところを見つけ、物を噛むよりも褒められることの喜びが勝るよう、気持ちを誘導してあげることも大切です」
寂しい思いをさせないために、私たちができること
「急にひとりになれば、不安になるのは当然のこと。愛犬に寂しい思いや不安を抱かせないためには、やはり留守番の練習が必要です。普段から、ひとりで遊ぶ時間をつくり、上手にひとり時間を過ごせるように練習しておきましょう。単におもちゃを与えるだけでは遊びませんので、飼い主さんが遊び方を教えてあげることも大切です。
すでに留守番に対して過度な不安や恐怖を抱いているようであれば、体の不調にもつながるおそれがありますので、病院で相談されることをおすすめします」
早く帰ることも愛情のひとつ
「愛犬は飼い主さんと一緒に過ごせる時間を心待ちにしています。帰れるときには早くお家に帰って、愛犬との大切な時間をじっくり過ごしましょう」
取材・文/いちのへ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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