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病気のサインであることも!「犬の口臭が強いとき」に考えられる原因
「犬の口のニオイがキツイな」と感じるとき、体の異変のサインの可能性があります。犬の口臭が強いときの原因について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬の口が臭いときに考えられる原因は?
——犬の口が臭いというのは、どのようなニオイのことをいうのでしょうか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「健康状態が正常でもある程度の口臭は感じられますが、いつもに比べるとニオイが強く感じられる場合や、生臭い、酸っぱいなどいつもと異なるニオイがする場合は、口が臭いといえるでしょう」
——生臭かったり酸っぱいなど、いつもと違ってニオイが強いとき、どのような原因が考えられるのでしょうか?
獣医師:
「最も多いのは歯周病でしょう。細菌の塊である歯垢や歯石、歯肉炎を伴い、口臭が強くなります。口腔内で出血していると、口臭が生臭く感じられます。
また、嘔吐により胃酸などの消化液が逆流すると、酸っぱいニオイとなるでしょう」
——口臭によって、病気のサインに気づくこともできるのですね。
獣医師:
「肝臓病や腎臓病においては、体内の毒素の解毒や排泄に異常をきたすため、アンモニア臭がしたり、脱水症状から口臭が強くなることがあります。腎不全以外にも脱水症状を起こす病気はありますが、その際にも口臭が強くなります」
犬の口が臭いときの対処法は?
——犬の口が臭いときの対処法には、どのようなものがあるのでしょうか?
獣医師:
「それぞれの原因に応じた治療が必要です。まずは動物病院を受診して、その原因を確認しましょう。
歯周病が原因の場合は歯のクリーニングを行い、その後は日ごろからの歯磨きで汚れが付かないようにケアをします。歯の状況によっては、投薬や抜歯が必要なこともあります。口腔内での出血ですが、歯の生え変わりなどの生理的なものに関しては問題ありません。口内炎や腫瘍などがあれば、それに準じた治療を行います。
肝臓病、腎臓病に関しては、比較的病気が進行した状態で口臭が見られることが多いように思います。通常の治療に加え、点滴などを行い改善を図ることもあります。
嘔吐や脱水症状に関しては、点滴などの症状に対する治療を行いますが、症状が続く場合はその原因を知ることが必要です」
犬の口が臭いのは、なんらかの病気のサインである可能性が高いです。放っておかずに、気になったときは動物病院を受診して原因を把握しましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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