犬と暮らす
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【体験談】「愛犬を甘やかした」と自覚のある飼い主は約6割 いま悩んでいる「困りごと」とは?
愛犬を甘やかして育てた…自覚のある飼い主は約6割
愛犬を甘やかしてしまったことで、困っていることも!?
ゴハンの悩みが…
- 「ドッグフードにトッピング(お肉や茹で野菜)をのせないと食べなくなった。我慢してお腹が空きすぎると、しょうがなく食べてる感じがします」
- 「食べることへの意欲がなく、ドッグフードも食べず1日何も食べない日もあり、仕方なくジャーキーをあげたりしてしまったりして、余計にフードは食べずといった感じになってしまいました」
- 「おそらくドッグフードに飽きて食べなくなってしまった時、フードになにかをトッピングして出した時。食べて欲しくて何か工夫してしまう自分は甘いなぁと思う」
- 「ゴハンを自分で食べない事です。毎食、スプーンであげています」
おやつをあげすぎてしまった結果…
- 「おやつをねだる姿が可愛くて、ついあげてしまう。アピールすればもらえると分かっているので、欲しい時のアピールがすごくなってしまった」
- 「オヤツください。とジッと見つめてくる圧力に負けて、つい『ちょっとだけだよ』とあげてしまう。お陰で年々体重が…」
散歩中にワガママ発揮!?
- 「散歩中、行きたい方向に行かせていたら、違う方向に向かおうとすると、座り込んでストライキする様になった」
- 「帰宅拒否するので抱っこで帰っていたら、家が近くなると抱っこするまで動かなくなってしまった」
しつけやお手入れなどで苦労することも…
- 「吠えたらオヤツをあげていたら、要求吠えを頻繁にするようになった」
- 「好きなようにさせすぎて、わがままになり言うことを聞かない。思い通りにしようと吠えたり、嫌なことをされると唸ったり噛んだりする」
- 「噛んでくる時にかまってしまったので、噛むと遊んでくれると思っている」
- 「常に側にいてかまってあげてたために、一匹でいる事ができなくなってしまった。買い物など出かける時が大変」
- 「歯磨きは嫌がる為、つい避けていたらすっかり口の中を触るのは断固拒否するようになってしまった…」
一緒に暮らすうえで悩ましいことも
- 「室内で大事に育てすぎたせいか、ちょっとしたことでもビビリで、あまり社会慣れしていないようです」
- 「子犬の頃ケージで寝かせようとしていたけど、キュンキュン鳴くのがかわいそうで一緒に寝てしまった。夜は一緒じゃないと寝られなくなってしまった」
- 「愛犬だけで留守番をさせる機会をつくらずに過ごしてきたので、出かける時も誰か家にいないといけなくなった。他人に警戒心があるため、冠婚葬祭の時にはどうしようか今考えています」
【獣医師解説】愛犬を甘やかすとは、どういうこと?
「犬のことを理解せず、そのまま放置してしまうことだと思います。甘やかさないで育てることを、常に人間の言いなりになることと考えられる方がいますが、それもまた違います。
犬は生き物なので、まずは最低限生きるときに必要なものは満たされなければなりません。また、犬には犬の本能的な習性があるので、それを満たす必要があります。そのうえで人間社会で生きる必要があるので、お互いに必要なルールを教えてあげる必要があります。
さらに、『人間が飼育する』という環境にさせているので、飼い主さんは予防できる病気は予防する、危険のないようにする、彼らの心と体の健康を考える、生活が豊かになるように考えるということを生涯続けなければならないと思います」
「今回の調査で回答してくれた方たちは、どれも犬の習性、個々の特性を理解できていないために、甘やかしてしまったのではないかと感じます。上記で述べたことがうまくいかないようだと、健康を損なうことにもつながる可能性があるので、注意が必要です」
「愛犬がゴハンを食べない」 考えられる原因は?
「犬がフードを食べない問題はよく起こります。これは、ただのワガママだけが原因ではありません。
よくある原因としては、おやつの量が多すぎることでしょう。犬と人間の体のサイズはかなり違うので、人間の感覚ではおやつの量が少ないと思っても、犬目線で考えるとかなり多い場合があります。おやつだけでお腹いっぱいになってしまいます。
おやつの量の目安は、1日のフード量の10%ほどだと言われています。そのコに合ったおやつの量をはかって与えるようにしましょう」
フードをころころと変えることも、好き嫌いの原因に
「そうですね。少し食いつきが悪いからといって、次々にいろいろなフードを小さいうちから与えてしまうと、より高たんぱく、高脂肪のフードを好むようになり、それが好き嫌いの原因になることもあります。
また、おやつやご褒美が高たんぱく高脂肪であると、主食となるべきフードへの食いつきが悪くなる場合もあります」
運動量が足りていないことが、ゴハンを食べない原因のことも
「そうですね。また、現代の犬は動く機会が少ないように感じます。『犬は家にいればよい、散歩は何分でよい』などと、動く機会を制限してしまっている飼い主さんも見受けられますが、動かなければお腹も減りません。
もちろん、個々によって楽しめるものが異なります。散歩があまり好きではない犬もいますが、犬自身がほかに楽しみを見つけに出かけられるわけではないので、飼い主さんが代わりに探してあげる必要があります。
愛犬の健康のためにも、日頃から楽しんで運動する機会を作ってあげるようにしましょう」
消化能力が弱い犬もいるので気をつけてあげよう
「また、最近では消化能力の弱い犬も増えています。日本は湿気があったり、季節が変わる国なので、お腹の不調を抱えることは多いです。そのようなコにたくさん食べろと言っても食べられません。そのコがきちんと消化できる量を与える必要があるでしょう」
「そうですね。今回の調査で飼い主さんが回答した『甘やかしが原因の困りごと』は、ゴハンだけの問題に限らず、どれも飼い主さん側が犬への理解をやめてしまったことが大きな原因ではないかと思います。
お世話をするなかで、どのようにするのがよいのかわからない場合もあるでしょう。愛犬の困りごとが、じつは病気が関係しているという可能性もあるかもしれません。気になることがある場合は、かかりつけの獣医師に相談してアドバイスをもらうなどしてみるとよいと思います」
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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