犬のニオイ・汚れが気になりやすいこの季節は、いつも以上に念入りなお手入れが必要です。でも、過度になると犬の体に悪影響が出ることもあるので要注意。せっかくのお手入れが逆効果になるのは悲しいことですよね。
今回は、実は「やりすぎ」なお手入れと適切な方法をご紹介します。
外から帰宅するたびにシャンプー液で足を洗う
散歩のあとは足先が汚れているので清潔を保つことは大切ですが、毎回シャンプー液で洗うのはやりすぎです。皮脂が落ちすぎて皮膚のうるおいがなくなると、バリア機能が低下して皮膚病のきっかけになってしまいます。
ペット用ウエットシートなどで汚れを拭き取るか、洗うなら水洗いのみにしましょう。そのあと、被毛をしっかり乾かすことを忘れずに。
排泄のたびに陰部やお尻をこすって拭く
犬の皮膚は人の皮膚よりも薄くて繊細です。陰部やお尻は特にデリケートな部分なので、ゴシゴシ拭くと簡単に傷つきます。また、犬が痛がってお手入れ嫌いになってしまうおそれも。汚れはペット用ウエットシートを皮膚にそっと当てるようにして拭き取りましょう。
綿棒で毎日耳そうじをする
犬の耳は、病気がない通常の状態であれば耳アカで汚れることもないため、毎日耳そうじをする必要はありません。また、耳そうじで綿棒を使うことは耳を傷つける原因になります。
毎日の耳そうじは必要なくても、耳の中を定期的にチェックすることは大切です。「耳アカが出ている」「ニオイがする」「赤みや腫れがある」などの症状がある場合は、動物病院を受診しましょう。
肛門腺絞りを毎週おこなう
肛門近くの嚢(のう)にたまる分泌物を出す肛門腺絞りは、トリマーさんなどに任せてもいいケアです。月に1~2回おこなえば十分で、やりすぎると肛門やその周辺に炎症を起こす可能性があります。
月1~2回おこなっても分泌物がたまりやすい場合は、遊びや散歩を増やして、分泌物が自然に放出されやすくなる工夫をしましょう。
週に1回以上シャンプーをする
健康な犬が週に1回以上シャンプーするのは、やりすぎなお手入れです。必要な皮脂まで洗い流され、また薄く繊細な皮膚を傷つけることで皮膚病の原因となってしまうおそれが。
泥などの汚れが気になる場合は、拭いたりブラッシングをしたりして汚れを落としましょう。夏は2~3週間おき、冬は月に1回ほどがシャンプーの適切な頻度です。
愛犬の健康のためには、飼い主が正しいお手入れの知識をもつことが大切です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「いぬのきもち」2018年12月号『がんばりすぎ、はりきりすぎは、かえって愛犬の体に悪影響かも……やりすぎお世話のボーダーライン』(監修:しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生、ぬのかわ犬猫病院中田分院院長 石田陽子先生)
文/えむら若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。