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元気な犬が「急に具合が悪くなってしまう原因」は? 事例を獣医師が解説
つい昨日までは元気だった犬が、今日はなんだか調子が悪そうに見えるということがあるようです。その場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?
今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
元気だった犬が急に具合が悪くなる原因の事例
——昨日までは普通に元気だった犬が、急に元気がなくなることもあるのでしょうか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「あります。ここではいくつか事例を紹介します」
「あります。ここではいくつか事例を紹介します」
①異物の誤飲による急性中毒や腸閉塞
獣医師:
「犬が食べてはいけないものを誤飲することにより急性中毒症状を起こしたり、誤飲したものが胃腸内にとどまり、腸をふさいでしまう腸閉塞を起こしてしまうことがあります」
「犬が食べてはいけないものを誤飲することにより急性中毒症状を起こしたり、誤飲したものが胃腸内にとどまり、腸をふさいでしまう腸閉塞を起こしてしまうことがあります」
②熱中症
獣医師:
「高温多湿の場所にいたり、直射日光を浴び続けることで体温が急上昇し、呼吸だけでは体温調節が追い付かなくなって熱中症になる恐れがあります」
「高温多湿の場所にいたり、直射日光を浴び続けることで体温が急上昇し、呼吸だけでは体温調節が追い付かなくなって熱中症になる恐れがあります」
③体に痛みなどが伴っている場合
獣医師:
「たとえば、腰などの椎間板ヘルニアや骨折などの急な痛みによって突然足腰が立たず、動けないこともあります」
「たとえば、腰などの椎間板ヘルニアや骨折などの急な痛みによって突然足腰が立たず、動けないこともあります」
④もともと病気を持っていた場合
獣医師:
「もともと何か病気を持っている犬だと、急に具合が悪くなる場合があります。
たとえば、心臓の病気を患っている犬の場合、そこから肺に水が溜まってしまい肺水腫になる可能性があります。腹腔内に腫瘤がある場合には、突然破裂し腹腔内で出血する恐れもあるでしょう」
「もともと何か病気を持っている犬だと、急に具合が悪くなる場合があります。
たとえば、心臓の病気を患っている犬の場合、そこから肺に水が溜まってしまい肺水腫になる可能性があります。腹腔内に腫瘤がある場合には、突然破裂し腹腔内で出血する恐れもあるでしょう」
——さまざまな原因が考えられるのですね。
獣医師:
「このほかにも、犬が急に具合が悪くなる原因があると思いますが、ここでは一例として紹介しました」
「このほかにも、犬が急に具合が悪くなる原因があると思いますが、ここでは一例として紹介しました」
具合が悪いときに犬が見せるサイン
——一刻を争うような状況のとき、犬はどのような様子を見せるのでしょうか?
獣医師:
「そのときの状況にもよりますが、
「そのときの状況にもよりますが、
- 荒い息をしている
- 大量のよだれが出ている
- 苦しそうな呼吸をしている
- 意識が混濁している
- 頻繁な嘔吐や下痢をしている
- 足腰が立たない
- 横になったまま動けない
などといった症状が見られ、とにかく犬がいつもと違う状態で具合が悪いと感じられるでしょう」
犬が急に具合が悪くなった場合の適切な対応は?
——もしも犬が急に元気がなくなってしまった場合、飼い主さんはどのような行動をとるのが適切でしょうか?
獣医師:
「犬が急に元気がなくなり、明らかに犬の具合が悪い場合には、迷わず動物病院を受診しましょう。たとえば、犬が誤飲をしたのであれば、飲み込んだものが明らかであればそれを把握しておくことや、どのような状況で元気がなくなったのかを動物病院で伝えましょう」
「犬が急に元気がなくなり、明らかに犬の具合が悪い場合には、迷わず動物病院を受診しましょう。たとえば、犬が誤飲をしたのであれば、飲み込んだものが明らかであればそれを把握しておくことや、どのような状況で元気がなくなったのかを動物病院で伝えましょう」
様子見や、他の飼い主さんに相談することは、愛犬のためにも飼い主さんのためにもならない
——犬に何か異変が見られたときに、SNSに投稿して他の飼い主さんの意見を聞き、しばらく様子を見たりする飼い主さんもいるようですが、こうした対応はいかがでしょうか?
獣医師:
「相談先はかかりつけの動物病院で、もしかかりつけがお休みであれば他の病院、救急病院に相談しましょう。
『こんなことを相談してよいのかな?』『こんなことで電話してよいのかな?』などと思われる方がいますが、病院としては気軽に相談してほしいと思っています。その積み重ねで、このコのこの状態は様子を見てもよい、これは危ないといったことを判断できるようになります」
「相談先はかかりつけの動物病院で、もしかかりつけがお休みであれば他の病院、救急病院に相談しましょう。
『こんなことを相談してよいのかな?』『こんなことで電話してよいのかな?』などと思われる方がいますが、病院としては気軽に相談してほしいと思っています。その積み重ねで、このコのこの状態は様子を見てもよい、これは危ないといったことを判断できるようになります」
——大したことではなかったら…と受診を躊躇してしまう飼い主さんもいると思いますが、気軽に相談してよいとわかると、受診しやすいかもしれませんね。
獣医師:
「たとえ何もなくても受診することで安心できますし、その後の心配が減ると思います。また、病気であった場合、どんな場合も早めに対処したほうが治りは早いですし、犬にとっても負担が減ります。
お友達にご相談されるよりも、動物病院を受診するほうが、今後の愛犬のためにとても有益だと思います」
「たとえ何もなくても受診することで安心できますし、その後の心配が減ると思います。また、病気であった場合、どんな場合も早めに対処したほうが治りは早いですし、犬にとっても負担が減ります。
お友達にご相談されるよりも、動物病院を受診するほうが、今後の愛犬のためにとても有益だと思います」
——不安を感じたまま過ごすのでは、犬も飼い主さんもつらいですよね。
獣医師:
「明らかに犬の具合が悪いとわかるときは、緊急性が高い状態である可能性があります。迷わずに受診をされるのが一番だと思います。
たとえ結果的に何でもないことであっても、『大丈夫かな?』とその後も不安を抱えるより、飼い主さん自身の心を守れると思います。ぜひ、何かあった場合には動物病院に相談をしてみてください」
「明らかに犬の具合が悪いとわかるときは、緊急性が高い状態である可能性があります。迷わずに受診をされるのが一番だと思います。
たとえ結果的に何でもないことであっても、『大丈夫かな?』とその後も不安を抱えるより、飼い主さん自身の心を守れると思います。ぜひ、何かあった場合には動物病院に相談をしてみてください」
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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