犬と暮らす
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犬を叱るとかえって状況が悪化する?愛犬を叱ることで起こる行動こと
叱ることでイケナイことをすぐにやめて、それ以降しなくなるのならいいですが、残念ながら多くの場合は、そううまくはいきません。
むしろ、困りごとが悪化してしまったり、ほかの問題行動が起きてしまったり……ということも多いです。
「こんなに一生懸命に叱って教えているのに、なぜ?」と思うかもしれませが、愛犬の行動を“分析”すると、そのつじつまがわかってきます。
そこで今回は、オシッコのそそうを例に、「愛犬を叱るとどういうことが起きるか」を解説します。
愛犬がそそうしたことを叱ると、もっとそそうする!
それを見つけ、大きな声で激しく叱ると、そそうが直るどころか、今度はもっと別の場所で排泄するようになることが。
これは、愛犬が、飼い主さんから叱られること、つまり愛犬にとって「苦痛だ」「怖い」と感じることを回避しようとした結果、こうなっています。
つまり
「ここでオシッコをしたら飼い主さんが怖い顔をして大声を出した
→飼い主さんから離れた、もっと別の場所で排泄しよう」
と思い至り、さらにそそうを悪化させるのです。
正しい行動を教えてあげよう!
それには「そそうをする」という行動が起きる直前の段階を見直すことが大切なのだそう。
具体的には、
◆トイレが汚れていないか?→汚れていればシーツを交換したり、掃除をしたりする
◆トイレは狭くないか?入りにくくないか?→トイレをひと回り大きくする。入りやすい場所に設置する
といった“環境”を見直します。
そのうえで今度は、
◆愛犬が排泄しそうなタイミングを見計らって、トイレに連れて行く
など、正しい“行動”を教えます。
つまり愛犬に「間違った行動をさせない環境」を提供して、同時に「正しい行動を教える」ことが、問題行動の解決のために必要なプロセスなのです。
もしそそうしても、叱らずに後片づけを!
もしまた愛犬がそそうをしてしまうことがあっても、決して叱らずに、黙って速やかに後片づけを。
そして、正しい行動を教えてあげましょう。
愛犬の行動を正しく分析して対応すれば、必ず問題行動は減って、愛犬はイイコになっていきますよ。
参考/「愛犬との暮らしをもっと楽しむのいぬのきもち」2016年11月号『犬のしつけを科学する』(監修:ペットドッグトレーナーズ資格認定協会認定ドッグトレーナー・齋藤美紀先生)
写真/佐藤正之
文/h.taco
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