「メラノーマ」という病気を知っていますか? 悪性黒色腫とも呼ばれる悪性腫瘍(がん)で、人にもある病気です。
犬では、おもに口や皮膚、目などに発生します。メラノーマの症状はさまざまで、なかには「これも症状だったのか!」と驚くものも。
今回は早期発見に役立つメラノーマの症状をくわしく解説します!
※本記事内では犬のがんの症例写真を掲載しています。閲覧にはご注意ください。
数カ月で死に至ることも⁉ メラノーマってどんな病気?
メラノーマとはがんの種類のひとつ。(※)原因は不明とされていますが、かかりやすい犬種がいるため、遺伝的な要因が考えられます。進行が早いのが特徴で、治療せずに放置してしまうと、数カ月で死に至ることもあるほどです。しかし、獣医療の進歩により、早期に発見できれば完治することも。
※良性のメラノーマもあり、その場合は手術で切除すれば完治します。
部位別 メラノーマの症状を解説
犬のメラノーマはおもに口、皮膚、目の3つの部位に発生します。
最初はしこりができるのですが、悪性の場合はそれが急激に大きくなり、表面が崩れてきます。ある程度大きくなると、その表面から血がにじみ、なかなか止まらないことも。また、しこりは黒色と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
そのほかにも部位ごとにさまざまな症状が出ますので、愛犬は大丈夫かどうかチェックしてみて。
部位1)口
口の中や口唇にできたしこりはメラノーマであることが多く、リンパ節や肺への転移もよく見られています。口の中の場合は発見が遅れがちですが、口臭きつくなる、ヨダレが多くなり血が混じる、などの症状が出ることがあります。
部位2)皮膚
皮膚にほくろのようなものができるのがサインになりますが、良性のことも多いです。気をつけたいのは爪の根元にできたメラノーマ。悪性度が高く、がんが骨まで広がっていることも! 足先がじゅくじゅくしたり、愛犬が足先をしきりになめるなどの症状が出ることがあります。
部位3)目
目のメラノーマでは、目の中や白目に黒い色素沈着やしこりが見られます。目ヤニが多い、充血しているなど、一見がんとは関係のない症状が発見のきっかけになることも!
いかがでしたか。悪性のメラノーマは進行がとても早いです。正確な診断には動物病院での検査が必要になりますから、しこりを見つけたり、気になる症状があれば早めにかかりつけ医の相談しましょう。
参考/2020年8月号「犬の現代病ファイル vol.15メラノーマ」(監修:レオ動物病院院長 堀川歴央先生)
写真提供/レオ動物病院
イラスト/フジマツミキ
文/melanie